魔法薬学教授と英雄の子 ページ26
「──きゃ……って、Mr.マルフォ」
ダフネとAの間に割り込むようにドラコ・マルフォイはAの手をガッシリ掴んでいた。
これにはダフネもセオドールもAも、目を丸くしてしまう。
「こっちに来い」
「は、ちょ……」
訳も分からないAを置いて、ドラコはズンズンと先を進む。Aと彼の組み合わせは目立つようで、目を引いた。
そうして手前の空いている席にたどり着くとAを奥に押し込むと、逃げ場を塞ぐように彼は座ってしまう。
……私、ハーマイオニーと座りたかったのに。
そう思うAを他所に周りのスリザリンの女の子(特にパンジー)は羨望と嫉妬の混じった眼差しを向けてくる。
そんなに羨ましいなら代わってよ！ Aは下唇を噛み締めながら彼女たちに背を向けたそのときドラコと目が合った。
「あなた、一体何のつもりなの？ 強引に手を取って……私はあなたと関わりたくないとさっき言ったでしょう？」
「おいさっきも思ったがそれを言うか？ ホグワーツ特急で仲良くしようと言ったのは君だ。僕は優秀な奴と組みたい、魔法薬学は落としたくないのでね──もし君が救いようもないポンコツだったら、次から用済みだ」
Aはドラコを睨み、やり場のない怒りを当てるようにフンと教科書を開き読んだ。そうしていると、勢いよく部屋の扉が開いた。
現れたのは黒ずくめの男──魔法薬学担当教諭であるセブルス・スネイプは乱暴に教室に入るなり出欠を確認すると、獲物を見つけたように意地悪く彼のへの字だった口許が歪んだ。
「あぁ、然様……ハリー・ポッター。我らが新しいスターだね、」
不機嫌そうな顔に合わない甘い声に嗤い声が聞こえてきた──もちろん、スリザリンから。
面白くもないことでよく嗤える同寮生に羞恥心すら感じて、耐えるように俯くハリーへ同情する。こんな状況を仕立てあげたスネイプにAは敵意を覚えていると、彼は満足げに授業の説明を始めた。
「この授業では杖を振ったり、バカげた呪文を唱えたりはしない」
Aは表情すら変えなかったものの、いい気はしなかった。スネイプの毒舌に生徒たちの動揺を他所に彼はねっとりと話を続ける。
「ふつふつと沸く大釜、ゆらゆらと立ち上る湯気、人の血管の中を這い廻る繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力……諸君がこの見事さを真に理解するとは期待しておらん。吾輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し死にさえ蓋をする方法である」
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
