ようこそ、狡猾なる蛇寮へ ページ21
「また会ったね。君と同寮になれて嬉しいよ、これからよろしく」
隣に座っていたのは、一緒にボートに乗ったセオドールだった。
「えぇ……よろしくセオドール」
禍々しい雰囲気のスリザリンの中で柔らかい笑顔にピンと張った糸が緩むのを感じた。
Aはほっと息を吐いて、握手を交わす。
「それにしても浮かない顔だね。どうしたの？」
「いいえ……少し疲れてしまっただけ。心配してくれてありがとう」
と話しているとロンの名前が呼ばれた。
不安げだったのはほんの一瞬、彼の一番の希望通りグリフィンドールに無事組み分けされ大喜びするロンの姿や後に続く組み分けを眺めていると聞こえてきた声にAは顔を向けた。
「血を裏切るウィーズリー家だ、まるで人参みたいな赤毛に小汚いそばかすまみれの顔。みすぼらしい身なり……全く、あんな家が僕と同じ聖28一族だなんて世も末だよ」
「浮かれ調子の馬鹿なグリフィンドールが増えただけさ……ウィーズリーの兄弟なんて放っておけ。それに考えてみろよ、間違って僕たちスリザリンに入ってこなくて良かったじゃないか」
「今年もクィディッチで痛い目に遭わされるのだからあの小憎らしい間抜け面も少しの間さ」
ロンやグリフィンドールへの罵詈雑言にAは思わず睨んでしまうとクスクスと嗤っていたスリザリン生たちは蛇に睨まれた蛙のように黙り込んだ。
しかもこれも一瞬、またどこからか嘲笑が聞こえてきた。
それはキリがなかった。他寮の悪口を口にするスリザリン生たちから耳を塞ぎたくなる。
こんなところにいたら気が滅入ってしまいそうだ。
父は喧嘩せず仲良くしろとAに口うるさく言ったが、Aは心配になった。
彼らと仲良くなる前にAは彼らに手を出してしまいそうだ。
そうしてうちに組み分けが終わったようでマクゴナガルが前に出てきた。
「皆さん、お静かに！」
グラスをスプーンで叩くと皆、一斉に静まる。
ホグワーツの校長で偉大な魔法使い、ダンブルドアは腕を大きく広げ「宴を始めよう！」そう言ったのを合図に、目の前にある空っぽだった大皿は食べ物で溢れ返る。
ローストビーフ、ポークチョップ、ソーセージ、ローストチキン、フレンチフライ、グリルポテト……とにかく数えきれないくらい豪勢な食事だった。
そのとき、ダンブルドアと目があった。
ダンブルドアはAに向かって優しく、にっこりと微笑んだ。ショックは簡単に吹き飛んだ気がした。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
