あれがホグワーツ特急 ページ3
ホグワーツの新入生、A・ヴィトグレーデは十一時ちょうど発のホグワーツ特急に間に合うように、学用品を鞄の中に放り込み、父イーサに連れられて一緒に家を出た。
「おや何やら、浮かない顔だね。A」
「……あの、お父様。これが間違いでなくて、9と4分の3番線プラットフォーム、なんて本当に実在するのですか？ いくら探してもどこにも見当たりませんわ、」
キングスクロス駅に着いた頃、Aは辺りを見渡しながら口を開いた。
「全く……大丈夫だよ、僕がついてるから心配なんてしなくてもちゃんとあるから。ほらついておいで、道はこっちさ」
朗らかにそして、優しく笑うイーサをAは久しぶりに見た気がした。いつも仕事に忙しい父は顰め面ばかりなのだ。
そんなことを考えているうちに、9番プラットフォームと10番プラットフォームの間にある赤煉瓦の壁の前に着いた。
「さぁ、行こう」
訳も分からず壁を凝視していると、いきなり父は手を繋いできた。そして、勢いよく引っ張られた。
「ま、待って……お父」
戸惑うAに構わず全速力でイーサは赤煉瓦の壁に向かっていく。
あぁお父様、このまま走って行ったら、衝突するわ！
訪れる最悪の未来を恐れて、イーサの大きく角張った手を強く握り締め、目を固く瞑った。
けれど、いつまで経っても衝撃は感じられず、その代わりに父イーサの嬉しげな声が聞こえた。
「ごらん？ あれがホグワーツ特急さ」
その声に、瞼をおずおずと上げると驚くべき景色がAの周りに広がった。
プラットフォームは先程とは違って、Aと同じような魔法使いと見送りに来た家族でごった返している。
線路の上には、ちゃんと紅の蒸気機関車が止まっていた。
イーサの顔を見上げると、彼は満面の笑みを浮かべている。
久しぶりに見る柔らかな父の表情を見てAも思わず微笑んでいると、イーサは口を開いた。
「さぁ、可愛い僕のA。早く乗らないと置いていかれちゃうよ」
頷き車両のドアに近づき乗り込む。共にコンパートメントに入ったイーサは荷物を置くとAを抱き締めた。
「いいかい、A。お腹が空いたら、あげたお金で何かを買いなさい。いいね？ スリザリンに組み分けされた後、必ずそのことを知らせる手紙を送ることだよ」
その言葉は先程聞いたばかりの言葉であった。これで終わりかと思えば、飽き足らずイーサは続ける。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
