魔法学校への道のり ページ16
「あと五分でホグワーツに到着します。荷物は別に学校に届けますので車内に置いていってください」
アナウンスが流れ、ハーマイオニーは「急がなくちゃ、またあとでね！」と立ち去っていく。ロンが「どうかあの子と同じ寮じゃないといいな」と呟くのにAは何とも言えず黙った。
汽車は次第にゆっくりと速度を落とし、完全に停車する。三人はホグワーツ生で溢れ返る通路に出、暗がりのプラットホームに降りた。
暫く待っていると生徒達の頭上にゆらゆらとランプが近づいてくる。現れたのは大男だった。
Aがポカンと見上げていると──ハリーは顔を綻ばせ「あれがハグリッドだよ。ホグワーツの森番なんだ」とロンとAにこっそりと教えた。
「イッチ年生！ イッチ年生はこっち！ ほらほらぐずぐずせんと、急いだ急いだ。ほら」
ハグリッドはランプを振りながら、戸惑う新入生たちを誘導した。
「さぁ、ついてこいよ！ あとイッチ年生はいないか？ 足下に気を付けろ。いいか！ イッチ年生、ついてこい！」
日が落ちて真っ暗な道を進むハグリッドをついて歩いていく。険しい小道のようで、周りでも小さく悲鳴や躓く音が聞こえた。
「ほら、ホグワーツが見えるぞ！」
ハグリッドが振り返りながら言うと、一斉に歓声が沸き起こった。
顔を上げると、光を反射する湖の向こう岸に、高い山を背に聳え立つ壮大な城が見えた。
大小様々な塔が立ち並び、キラキラと輝く窓に、漏れる明かりは中の賑やかさを感じさせた。
それらが夜空に浮かび上がって、Aの機嫌はぐんと治った。
「ボートには四人ずつ乗るんだぞ！」
岸辺に繋がれた小舟にハリー、ロン、Aが乗り込んでいると後から声が聞こえた。ひょろりと背の高くうさぎのような可愛らしい顔立ちをした男の子だった。
「初めまして、僕セオドール・ノット。君たちは？」
「ロン・ウィーズリー」
「僕は……ハリー、ハリー・ポッター」
ハリーの名前に目を大きくしながらもセオドールはにこやかに「よろしく」と握手を交わした。
「君は？」
「A、」
と同時に、ボート船団は一斉に動き出す。
鏡のような黒い湖面をちゃぷちゃぷ音を鳴らしながら滑るように進んでいく。
ハリーはそっと隣に座っているAを盗み見る。彼女は段々と近付く城に心を奪われていた。
月明かりに照らされ、期待と不安目を輝かせ、ゆるりと口許を緩ませるその綺麗な横顔は、ハリーの眼に焼き付いた。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
