いざ、魔法学校へ ページ15
「なら、良いのよ。もうしないでね、仲良くしてくれると嬉しいわ」
そのとき、Aはドラコの後ろでもぞもぞと動くかげを捉えた。
ドラコの後ろにいた男の子二人のうち一人がロンの傍に置かれた蛙チョコに手を伸ばしていた。
ドラコが気付く前にロンはおい！と飛びかかったが、それより先に彼の地響きのような悲鳴がコンパートメントに響いた。
「──ゴイル！！ この意地汚いヤツめ！ 菓子なら僕たちのコンパートメントに山程あるだろ！」
スキャバーズがゴイルの指に噛み付いている。
痛みにゴイルはブンブンと振り回しドラコたちは後退った。
「ちょっと、笑って見てないで……あなたのスキャバーズが死んでしまうわ！！」
ロンはAの言葉に慌てて「スキャバーズ！ もういい……戻ってこい！」と呼ぶが、そのスキャバーズが宙を横切った。
窓に叩きつけられ、力無くグッタリと落ちるスキャバーズに三人が言葉も失い息を呑んでいるとコンパートメントの扉が荒々しく開けられる音がした。
「なっ、謝りもせずに逃げるの？！」
ドラコはちらりとこちらを振り向きそして早足で遠ざかっていく。
「可哀想に……スキャバーズ……僕、コイツのこと、ただの使えないデブネズミだと思ってたけど、勇敢なヤツだったんだ……そんな自分を殴りたいよ」
意識を失ったスキャバーズをロンは抱き締めた。
「最低だよアイツ」
「弱い人よ、構う必要は無いわ……さ、私にスキャバーズを貸して」
目を瞬くロンを一瞥し、Aはくすりと笑って自分の白い杖を取り出し一振した。
「……
杖から光がスキャバーズを包み込んだそのとき、興奮気味な声が聞こえた。
「A、凄い！ それ治癒呪文でしょう？！」
コンパートメントの扉からハーマイオニーが顔を出していた。
「おい……また君かよ。今度は何の用？」
目を覚ましたスキャバーズを受け取りながらロンはため息をわざとらしく吐く。
「別に、騒がしかったから……って、一体あなたたち何やってたの？」
そこでハーマイオニーは、はじめて地獄絵図と化したコンパートメントの中を見て顰めた。
「何……ってスキャバーズがノックアウトしたのさ」
「ち、違うわハーマイオニー。ただスキャバーズは足を滑らせて怪我をしちゃっただけよ」
訝しげに眉根を寄せたハーマイオニーが再び口を開こうとしたが、遮るように車内に声が響き渡った。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
