いざ、魔法学校へ ページ12
ハーマイオニーのコンパートメントにお邪魔して、真新しいローブに袖を通していく。胸がワクワクと期待に踊る。
「ホグワーツに行くのは楽しみ？」
ハーマイオニーは嬉しそうなAを見て話しかけられずにはいられなかった。
「気が重い部分もあるけれど……あなたのような可愛らしい友達も出来たしホグワーツでの生活がとても楽しみだわ」
「私もよ！ あなたみたいな子がお友達になってくれてとっても嬉しいわ！」
寮も一緒だったらいいのに、とハーマイオニーは出かかった言葉を呑み込む。
純血の名家であるヴィトグレーデは代々スリザリンの家系だ。柔らかい表情で頷くAの横顔にハーマイオニーはそっと訊いた。
「……ねえ私と本当に仲良くしていいの？」
え、とAは弾かれたように、煌めく白銀の髪を靡かせてこちらを向いた。
悲しそうな色を浮かべる、雪空の瞳にハーマイオニーは慌てて言い訳した。
「あなたが嫌とかじゃなくて……つまりその、こんな夢のようなことが許されるのかしら、って思って……私と仲良くしているのが知られたら、今後あなたが何か不利になるんじゃないかと思って、」
さめざめとするハーマイオニーを前に、Aはふと父イーサや家の者、ずっと世話してくれた屋敷しもべ妖精などを思い出す。
皆、口うるさく純血主義について語った。
幼いAは思想に意見したことで厳しい罰則を与えられたその日、家に、純血主義に対して嫌悪感と不信感を募らせた。
でもそれを表に出すことは自分を守るためにその日から絶対にしなかった。
そうしてひた隠して周りの者を騙してきたAにとってハーマイオニーの憂うことはそんなこと程度だった。
「ハーマイオニー、あなたが心配することは無いし……もしものことがあっても私はあなたと仲良くしたいの」
「……あなたは純血主義ではないの？」
「アレと私を一緒にしないで！ 人を無意味に区別するなんてナンセンスよ！ そんなことをする人なんてぶっ飛ばしてあげる！」
綺麗な顔に似合わないことを言い出すAにハーマイオニーは吹き出してしまう。
「あら、冗談だと思ってるの？ 本気なんだから！」
不満げな様子を見て笑うのをやめて、Aを真っ直ぐ見つめ返した。
「……ずっとそのままでいてね。寮が別れても、あなたとは仲良くし続けたいわ」
「ふふ、私はずっとこうよ。またホグワーツで話しましょ」
ひしと抱き合って、ハーマイオニーと別れた。
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つき(プロフ) - あさん» そのように認めてくださって感謝します。あんな形ではありましたが別サイトに私の小説を読んでくれている人がいると知れて嬉しかったです。今後このようなことがないよう気をつけていただければと思います。これからもご愛読いただけると嬉しいです (2月8日 18時) (
レス) id: 7cdc86589a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 先程別サイトの方を消させていただきました。勝手な無断転載をしてしまったことを深く反省しています。本当に申し訳ありません。 (2月8日 18時) (レス) @page21 id: 60a5994a82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つき | 作成日時：2023年8月14日 9時
