6話 ページ7
IN医務室
ガチャ
『……?』
ベッドに座りながら本を読んでいると突然エマ達が真剣な顔でこちらへくる
エマ「単刀直入に言うね、私たちと逃げよう!」
『……ん?』
レイ「俺もさっき、聞いたんだが……」
・
『鬼、農園、ママが敵…ねぇ』
エマ「そう、だから逃げよう、全員で!お願い力を貸してA姉」
レイ「おい待て聞いてないぞ、全部で38人大半が6歳未満だぞ!?ただでさえ簡単でない脱走の難度がケタ違いにハネ上がる」
エマ「わかってる…でも、無理だと決まったわけじゃ……」
レイ「いいや無理だ、エマお前気づいてないだろ」
エマ「え」
ノーマン「レイ待って」
レイ「成程」
ノーマン「僕から話すよ、けどその前に」
『……とりあえず知っている情報はそれだけなの?』
エマ「え?」
『そんな少ない情報だけじゃ脱獄は無理よ』
ノーマン「…もしかしてA姉さんって」
『さすがノーマン』
エマ「え、どういうこと?」
ノーマン「知ってたんだよ」
レイ「?」
ノーマン「つまり元々A姉さんはここが農園だってことを知ってたんだよ」
エマ「!?え、じゃあ…敵、なの?」
『いいえ、味方よ』
レイ「でも、そんなの信用出来るわけが」
『信用、ねとりあえずヒントをプレゼントするってことでいい?』
ノーマン「何を知ってるの?」
『それは自分たちで知ってもらわないと困る……この本を見て』
エマ「動物学?」
『出版年のほうよ』
レイ「2015…俺の本も2015年だな」
レイ…知ってるけどあくまで今は知らないフリなのね、了解
『そう、私は図書室の本を全部読んできたけどそれがいちばん新しい、そして地図の発行は2010年がいちばん新しかったわ』
レイ「じゃあ少なくとも2015年までは本が出版できる世界だったってことだな」
『えぇ、信用とまでは行かないけどヒントは沢山あげる。ところでさっきの逃げる時の話だけど』
レイ「あぁ、そうだな、ノーマン エマに伏せてた……いや、言えなかったのか?」
『まぁ、少なくとも全員で脱獄は無理ね』
レイ「ノーマン…甘ぇよ、過保護だ。エマ……出るだけじゃダメなんだぞ」
『外に待つのは鬼の世界よ』
レイ「人間の生きる場所なんて最悪どこにもないんだよ、置いていく…それが最善だ」
はっきりと伝えられた不可能という言葉、さぁ…エマはどうするのかな
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作者名:空白ニダ | 作成日時:2023年4月2日 22時