16話 ページ17
ノーマンside
下見のために塀へ向かっていると誰かがこちら向かってくる音がした
ノーマン「エマ」
エマ「……うん!」
エマがロープの入った袋を投げ、向かってくる2つの足音を聞いていた。おそらくママとシスターだろうか
そこに居たのはママとシスターではなく
ママとA姉さんだった
エマ「ママ...?どうしたの?」
どういうことだ!?レイは?ドンは?ギルダは?なぜママとA姉さんがここに__________
考えろこの状況...一体何が起こっている!?
目的は何だ何しに来た_____まさか即出荷!!?
緊張した空気が辺りを漂う...あんなに穏やかなA姉さんも見たことないぐらい真顔だ
イザベラ「10年」
エマ「えっ」
イザベラ「10年一緒に暮らしたけれど、お芝居抜きでお話するのはこれが初めてね」
エマ「……?」
イザベラ「初めましてエマ、初めましてノーマン」
.......
イザベラ「フフフ...ウフフフ...ほら、あなた達も楽にして...大丈夫よ私達だけ、周りには誰もいない何も知らないイイ子のフリなんてしなくていいの」
ママの雰囲気が一瞬にして変わる
イザベラ「今ここではただの飼育監と食用児」
僕達の心臓がドクンと鳴る...冷や汗が止まらない
イザベラ「でも誤解しないでね、私はあなた達を愛している。大好きなの本当に.....我が子のように愛しているわ、だからこそ諦めて欲しくてここへ来たのよ」
諦める.....?
ノーマン「……何を?」
脱走?命?大人になること?
イザベラ「抗うこと」
ノーマン「……」
イザベラ「大好きだから苦しんで欲しくない、私はあなた達を苦しませたくないの...幸福な一生じゃない?あたたかなお家でおいしいごはんと愛情いっぱい、飢えも寒さも真実も知らず、満たされた気持ちでしんでいく.....一体それのどこが不幸だと言うの?」
エマの顔が悲痛に満ちている。これが僕達の知っているママなのか
イザベラ「逃げるなんて不可能、お外も危ないわ絶望がいっぱいよ...ね、お家の中でみんなで一緒に幸せに暮らそう」
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作者名:空白ニダ | 作成日時:2023年4月2日 22時