狂犬と事故チュー【今日から俺は！！】 (ページ33)

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＿③ ページ33

相良サイド

雑魚共を片付けたあと鈴木が運ばれた病院へと向かった。

鈴木の部屋の番号を聞いて来たのはいいけどよ…。入りずれェな。入ってもあいつ寝てるだろうし…でも顔は見ときてェ。

どうするかとドアの前で悩んでいると後ろから声が聞こえた。

「…相良さん？」

声の正体は鈴木の妹だった。なんで俺の名前知ってんだ？

「なんで俺の名前…」

「仲間の人にそう呼ばれてたの聞いてたんです…あのさっきは姉と私を助けてくれてありがとうございます」

「あ、いやこっちこそ悪かった…あいつ大丈夫か？」

「はい。傷口も深くないらしいのです。あ、どうぞ入ってください」

鈴木の妹に言われるまま病室のドアを恐る恐る開ける。部屋は四人部屋で鈴木は手前の右端のベットに寝ていた。

寝顔はどこかガキぽくて、頭に巻かれた包帯がなければいいのにな。

鈴木の妹の方に向き直るって頭を下げた。

「…巻き込んで悪かった」

「え…頭上げてください！姉も私も大丈夫ですから。それに姉はこのぐらいの傷平気ですから」

「でもよ…」

「姉も私も逃げればいいものを逃げずに喧嘩するからこうなったんですよ。自業自得です。逃げようって言えばよかった」

妹は笑ってはいるが、少し悲しそうに寝ている鈴木に目を落とした。

「喧嘩なんてして欲しくないのに…姉さんはもう一人じゃないのに…」

その意味を聞こうとした時病室のドアが開いて看護師が妹を呼びにきた。どうやら鈴木のことで話があるらしい。

「じゃあ私行ってきますね。どうぞゆっくりしていってください」

「いや、俺も帰る…鈴木に謝っといてくれ」

本当はもう少し居たかったけど、鈴木がもし起きたらなんて言えばいいか分からず、逃げるように病院を出た。