狂犬と事故チュー【今日から俺は！！】 (ページ28)

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＿② ページ28

「…痛てぇ…何すんの京子ちゃん…？」

「きょ、京子さんどうしたんですか？！」

いきなり京子ちゃんにほっぺたを叩かれた。

「鈴木、いつまでもウジウジしてんじゃねぇよ！」

「叩くことないでしょ！」

「叩かないとてめぇの馬鹿面治らねェだろ。だから叩いてやったんだよ」

「人の気持ちも知らないで…この猫かぶり女！」

「なんだとゴラァ！」

そこからは取っ組み合いの喧嘩。明美ちゃんと下っ端ちゃんが止めに入るが止まらない。今日は私もカチンときた。

「いいよなてめぇは！彼氏が騙せやすくてさぁ！」

「彼氏に可愛く見られようとすることの何が悪ぃんだよ！あ、そっかお前はもう諦めるから気楽でいいよな！！」

「…好きで諦めたわけじゃねェよ！！」

京子を突き放した途端、自分の中に溜まっていたものが溢れ出す。

「毎日相良のこと考えて、どうやったら振り向いてもらえんのかな、どうしたら彼女になれるんだろうって毎日考えて、努力したよ！京子達や妹にも応援してもらって頑張ろうってやってきたよ…でも…もう」

ぐいっと京子に胸ぐらを掴まれた。

「だったら、簡単に諦めてんじゃねェ！！鈴木が少しでも相良の好みの女に近づこうって口紅変えたり、住所まで調べようとしたことも知ってんだよ！」

「いや、え、住所まで調べようとしてたんですか…？」

明美ちゃんを無視して京子は私の肩を持つ。

「諦めきれないなら、諦めなくていいんじゃねェの？自分が吹っ切れて他のいい男見つけるまでアタックしてみろよ」

「…京子…京子ちゃんぁぁぁああ！！」

「よしよし…」

京子ちゃんの言葉は心の中に響いた。絶対に忘れない。喧嘩してたことも忘れて京子ちゃんに抱きついて泣いた。

「と言うか…嫌いな女にキスしようと思いますかね、普通」

明美ちゃんの言葉が聞こえないほど。