＊ ？視点 ページ7
２人はさっきのお嬢の顔を思い出していた。
いつも優しくてニコニコしてる、お嬢があんな顔するのだと。
いつもニコニコしてるからか、無表情で目を合わせることできない圧に圧倒した。
これがこそが、柄崎さんが言っていた怖さなのかと。
お嬢を絶対怒らしてはいけないと思った２人であった。
その頃お嬢は社長の椅子に座り窓の外を眺めていた。
昔の自分はどんなだっただろうと、思い出していた。
思い出せば喧嘩をしていた思い出ばかりだった。
昔から碌でもない人間だったなと小さく嘲笑った。
__『お姉ちゃんは灯のヒーローだよ。』
ふと、そんなことを言われたのを思い出した。
あれは、私が養子になった小学５年生の秋だったと思う。
幼稚園の年中だった妹を迎えにいくと、野犬が園の敷地に入り腰を抜かしている妹を助けた時のことだ。
あの時は幼稚園の先生も、子どもを迎えに来た保護者も野犬が怖くて誰も近寄らなかった。
近づけば自分がやられると思ったからだろう。
『私はヒーローみたいに正義感も必殺技もないよ。』
『でも！お姉ちゃんは灯を助けてくれたでしょ？だからお姉ちゃんは私だけのヒーローなの！』
『ヒーロー…だったら私は人を不幸にするヒーローだよ。』
『ふこうにするヒーロー？』
『うん、だって私は疫病神だから…。』
『ちがうよ！お姉ちゃんは強くてかっこいい灯のお姉ちゃんヒーローなの！』
まだ、疫病神の意味も知らない幼いあの子は自分をヒーローだと言ってくれた。
いくら疫病神の意味を説明しても、「お姉ちゃんはそんなことしない、お姉ちゃんヒーローなの！」と全く解ろうとしてくれなかった。
“お姉ちゃんヒーロー”と言う事に呆れたお嬢だったが、自分をお姉ちゃんと慕ってくれる義理の妹が愛らしく、初めて他人を守りたいと思った。
あの子とは、自分が高校を卒業すると同時に家を出てそれから会っていない。
今、何処で何をしているだろうか…。
自分とあの子が再開することはないと、お嬢は思っているがそれもまた裏切られる事になる。
だけどそれは、まだ少し先の話。
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に - めっちゃいいです〜！旅館！！！最高泣 (2023年1月6日 14時) (
レス) @page10 id: ff2ebd9bf8 (このIDを非表示/違反報告)
石田(プロフ) - 数年前の作品ですが…面白すぎるので、更新まってます！！ (2021年8月21日 5時) (レス) id: bd475a3e84 (このIDを非表示/違反報告)
#639(プロフ) - オルタさん» 申し訳ありませんでした。さっそくコメントありがとうございます。めっちゃ嬉しいです。頑張ります！ (2018年11月14日 22時) (レス) id: 983b451a35 (このIDを非表示/違反報告)
#639(プロフ) - 陸さん» お待たせして申し訳ありません。今日から頑張っています！ (2018年11月14日 22時) (レス) id: 983b451a35 (このIDを非表示/違反報告)
#639(プロフ) - 霄さん» お待たせして申し訳ありません今日から再開しました！ (2018年11月14日 22時) (レス) id: 983b451a35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#639 | 作成日時：2017年3月10日 11時
