Rain Gift. (ページ1)

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雨の日の天使 O ページ1

今、俺は保健室に向かっている。
なぜかって？
授業サボるため。
いつもは屋上で寝てるんだけどね。今日はあいにく雨だから、行けないんだよね。

だから、保健室ってわけ。
保健の先生は今日いないらしいから、ラッキーだよ～。

保健室に着いて入ったら、カーテンが閉まっていた。

誰かいる…？

ちょっと気になったから、そっとカーテンを開けてみた。

そのとき、俺は目を疑った。
「…えっえんじぇる？」

だって、そこには真っ白な天使が眠っていたから。

触るととけてしまいそうな白い肌。白に浮かぶ赤い唇。女の子よりも長い長い睫毛。

その瞬間、恋に落ちる音を聞いた。
恋という海に自分から飛び込んで行った。
いわゆる、一目惚れってやつだ。

ずっと眺めていたら天使は、目を覚ました。(いや、覚醒か…？)
大きな瞳をこちらに向けている。

まずい。
今、俺はすんごく不審。
普通にカーテンの中入っちゃってるし、なんか天使に異様に近い所に座ってるし。口元もゆるんでるし。

「…？！」
なぜだか、天使は赤くなっていた。
なんで？

「ごめんね！びっくりしたよね！！俺、大野智っ！」
俺は恥ずかしくなって名前だけ言って、保健室から一目散に逃げ出した。