【ＭＨＡ】個性の割にはリアリストな女 (ページ3)

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朝ページ3

洗面所の鏡の前で、何年も切っていない髪をいつも通りツインテールになる様に結ぶ。
朝は弱いが、これくらいの身支度くらいはしなければいけない。流石にボサボサの状態で行くと心操に馬鹿にされるから。(というか前された)

髪も結び、制服にも着替え、準備は完了だ。もう良い時間だし、そろそろ行くか。
何度目かも分からない欠伸を噛み殺して、玄関のドアを開けた。もう春だが、吹いてくる風がわたしにとってはまだまだ肌寒い。

「それじゃあ、行ってきます」

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相変わらず、今日も今日とて教室前のドアも校門前のドアも大きい。圧迫感あるからもう少しくらい小さくしても良いとわたしは思う。身長が並外れて高い子もいるからこそなのはわかってるんだけど。
自動ドアが開き、教室の中に入る。もう既に大体のクラスメイトがそろっていた。…ほんの少しだけ視線が痛い。わたしに向けて飛び交う挨拶を返すと、すぐ自分の席に着く。

「A、はよ」

隣からもう聞きなれた声が聞こえて其方を振り返る。振り返ると、綺麗にガバッと強風を受けたかのような特殊な髪形をしている男――心操が頬ずえをついて座っていた。

「！心操。おはよう。…相変わらず、その跳ねまくってる前髪は直さないね」
「いつも言ってるだろ、ワックスで固めてんだよ」

そのノリいつまでやるんだ、と呆れる心操。暫くはこの会話挨拶代わりにやるつもりだよ、と言ったら溜息を吐いてそのままそっぽを向いてしまった。
そういう反応が面白いからついついやってしまうんだよ心操。

隣の席の男の子――心操人使。わたしがこの高校に初めて出来た知り合いであり、何もかもがわたしとは正反対の優秀な生徒だ。ヒーローに密かにあこがれているらしく、個性はまだ教えてもらえていないけど雰囲気で個性自体も優秀なのが見てわかる。羨ましいものだ。

ごめんって心操、と肩を叩いてみせると心操がジト目で此方を軽く睨んでくる。
…が、突然何故か目を見開いてクスクスと笑いだした。

「…なに、心操。わたしの顔に何かついてるの？」
「…お前、今日寝ぐせついてんぞ」
「え？？？？」

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