【アスチルベ】 (ページ25)

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『サンキュ』

と私のカバンからサイフを取り出す

彼からみた私はATMでしかないのだろうか

『お、今日はたくさん持ってるやん』

そう言って抜き取られた私のお金は

綺麗なあの先輩へと消えていくのだろう

私と晃一くんの肩書きは彼女と彼氏だけど

実際は都合の良い財布と吉野晃一でしかない

彼が本当に好きなのは大学の先輩のりかさんだ

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晃一くんは私のことを1度でも

愛してくれたことはあっただろうか

嫌なことがあれば突然家に来て

愛のない営みをする

晃一くんは必ず私をあの綺麗な先輩に重ね合わせる

『 …りか..ッ』

私はりかさんじゃないんだけどなあ

何度思ったことか

りかさんじゃなくて私を愛してほしい見てほしい

晃一が先輩の事を好きだと知りながら

告白して付き合ったのは私だから

自業自得なんだけど

付き合ったら私を見てくれる

少しでもそう思った私がバカだった

付き合っていても辛くなるだけ

この関係も今日で終わりにしようと思った

「あのさ、晃一くん」

なのにどうして

晃一くんはズルい人だ

私が別れを切り出す事を悟ったのだろう

『次いつデートしよか、』

" 別れよう " その言葉を言わせないように

『なあ、A… 』

そう言ってキスをする

なんでそんな泣きそうな顔なの

泣きたいのはこっちなのに

『 …ッ…A..好きやで… 』

彼はほんとに都合のいい男だ

別れない為の口実だと知りながらも

首に手を回してしまう私は

晃一くんからしたらもっと都合のいい女なんだろう

「 ..んッ…私も好き..ｯ… 」

晃一くんが先輩じゃなく

私を愛してくれる日は来るのだろうか

来なかったとしても別れられないだろう

なぜなら私は

＿＿＿＿＿＿＿＿キミに依存しているから

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