平和 ページ45
屋上に着くと、ふんわりと夏の香りが絡んだ風が髪を撫でて消える。
そこで今が夏であることを再認識した。
...降り注ぐ日差しが、朝より強くなりつつある。
「あーもうお腹すいた！」
「僕もだよ！四時間目の数学すっごく辛かったー」
「わかります、お腹鳴ったの聞こえました？」
わいわいと三人が話す中、剣城君はいつものドアの近くに座り込む。
剣城君の隣に俺が座る。スゲー静かで助かるんだよな。変に突っかかってこないし。
...と、思ったんだけど。
何か剣城君、やたら俺の方見てね？
まだ弁当食ってないから、顔になにか付いてるはずでもないし...
「剣城君、何か用？」
「...いや」
何か言いたそうにするも、言いにくそうにしている。
何だろ、俺制服反対？なわけねーよな。気づくわ。
「何か言いたいなら、はっきり言えば？」
ちょっと強気に聞いてみると、ますます顔をしかめる。
しかも何かすごく気まずいというか、言いづらそうな顔で。
珍しくうだうだしている剣城君と睨み合うこと数秒。
聞こえるか聞こえないかくらいの声で、そっと俺に伝える
「...狩屋、学ランの首のホック閉めろ」
「は？何、そんなこと気にして...」
「見えてるぞ、傷。」
ハッとする。剣城君は気づいていなかったのをわかっていたようで。
首元を触ると、包帯が取れかけ傷が所々剥き出しになっていた。
勿論シャツの襟が大きいからそうは見えないものの、真正面に経てば一発でバレる。
大急ぎで言われたとおり襟のホックを付ける。
多少苦しいものの、保健室に行くまでは我慢だ。バレるのが一番嫌だし。
「剣城ー狩屋ー？何してんの？」
「べっ、別に？早く弁当食おうよ！」
覗き込んできた天馬君を軽く避け、ぱっと手を広げる。
あーバレる相手が剣城君でよかった。本当によかった。
「うんうん！」
それから皆が円を描くように座る。目の前にいる輝君にばれんのこええな。
でもまぁ、天馬君は騒ぎそうだし、マシっちゃマシか。
「いっただきまーす！」
三人が勢いよく食べ始める。何かもの食ってる絵図が滅茶苦茶似合ってるぜ、お前ら。
それとは対照的に剣城君はゆっくり。
俺も腹減ってるけど三人みたいには無理。
「あ、狩屋のおかず美味しそう！交換しようよ！」
「ちょ、やだよ！ってか取るなよ！」
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
