安心 ページ38
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呼吸が元に戻り、涙と痛みが止まる頃にはAさんに抱きしめられていた。
「まだ痛いかい？」
「...もう大丈夫です」
「そっか。」
見えないように喉元へ指を伸ばす。確かに抉れた傷跡の感触。
さっきまでの痛みがまだ鮮明に思い出せる。
「ごめんねマサキ君」
「いいんです、嘘ついた俺も悪かったんです」
「...癖なんだ」
「クセ？」
「好きな人とか大切な人によくこういう事しちゃうんだ。」
だとしたら風丸さんは体中こんな傷だらけなんだろうか。考えただけでゾッとする。
でも、言われてみればヒロトさんや玲名さんにもこんな傷があった。
...ってことは、俺も少しは追いつけてるのかな。勿論風丸さんほどじゃあないけど。
「Aさん」
「何かな」
「やっぱり、貴方が好きです」
「...ありがとう。それは嘘じゃないと取っておくよ」
溜息とともに深呼吸を一度する。
吸う空気はいつもより甘い香りがして、引き込まれながら蕩けてしまいそうだ
「...マサキ君、お風呂はどうする？」
「え？」
「時計を見てご覧」
言われるがまま時計を見ると、短針は9時の目前で止まっている。
昨日よりマシなものの、入る時間から遅れてるのは明らかだ
「うわっ...は、入ってきます！」
Aさんの体から離れ、ふらつく足取りで立つ。
まだ体の表面に貴方の熱が残っている。それと同時に痛みも。
焦らなくていいよ、というAさんの言葉に頷いてから
ゆっくりとドアを開けて、静かな廊下へ足を踏み出した。
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***一方
「ねえ緑川」
「何？仕事ならちゃんとしてるよ」
「そうじゃなくて...お日様園、大丈夫だと思う？」
「まーた出たよ、その心配性！何回目？」
呆れたように怒る緑川を宥めながら、ため息をつく
心配なのはAの容態じゃない。
マサキが子供達の面倒を見ているかでも、子供が無事かでもない...
「A、マサキに何もしてないといいけど」
「...怪我させるとか？ないって、Aに限って」
相談した相手が悪かったかもしれない。そういえば緑川はまだ【噛まれてなかった】
...分かってもらえないもどかしさからか、手首の古傷が痛い。
「そんなに心配なら早く仕事を終わらせて帰ろうよ！」
「わかってるけど、二人でできる量は限られてる」
「だよねぇー...」
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
