summer[4] ページ4
今日は二ヶ月ぶりの退院日、私は久しぶりにお日様園に帰ってきた。
実を言うと、私も早く帰ってきたかった。理由はマサキ君のこと。
きっと彼も大慌てで帰ってくるだろうから、楽しみに待ってたんだけど
グチャグチャの制服に、あさってを向いたスクールバッグ。
マサキ君は中学生になってもあんまりかわってないなぁ、って痛感しちゃうんだよね
マサキ君の可愛い所でもあるけど、ちょっと可笑しくて。
心の中では笑いつつも、優しく指摘してあげよう。
「...マサキ君」
「なんですか？」
「...その服装の乱れ、直そうか」
「あ...」
結構恥ずかしそうにあわあわ、と大急ぎで制服を整えバックを下ろし始める。
あちこち見回しているのか、確認の度に水色の跳ねた髪がふるふる揺れて。
そこもどこか、幼いっていうか無邪気っていうか。マサキ君らしいのかな...
「私は逃げないのに、そんなに急ぐのかい？」
「...早く会いたかったから...」
走って帰ってきたであろう彼のモチベーションは、出鼻をくじかれてしまった様だ。
すっかりしょんぼりとした可愛らしい瞳で私をじーっと見ている。
その気持ちも汲み取り、私は彼の小さな頭に手を伸ばして長い髪を撫でた。
髪はさらさらと揺れる。それと同時にマサキ君は弱く笑って。
「ふふふ、マサキ君は可愛いなぁ」
「...Aさん」
おっと、行き過ぎた言葉を言ってしまった。マサキ君はそれに過敏に反応する。
今度はじとーっと軽蔑の眼差しに変わってしまう。
そう、昔からマサキ君は[可愛い]と言われるのがすこぶる嫌いだった気がする。
近所の人に[可愛いわねー]とか言われると酷く嫌そうな顔をしていた。
だから結構昔は気にしてたのだが、久しぶりに会うとこういうことを忘れてしまう。
「ごめんごめん」
「もう...」
マサキ君は私が21歳の時に入ってきた子。
お日様園には沢山の子がいるけれど、ダントツで一番話してて仲良しかな。
学校での生活が始まると、たまに勉強を聞きに来るからよく話してたんだよね。
...ま、聞きに来るときに必ずここにいるわけじゃなかったけれど。
そういうことに思い耽ると、どうしても自分の病気が憎く思えてくる。
でも結局のところ、悪いのは私なのだ。原因も私にある。
昔溜め込んだツケが丁度悪いところで帰ってきた。それだけなのだ。
別に死んでしまっても構わない。
ただそうなるなら、したいことはしたいだけ。
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
