魅惑 ページ30
「そうそうマサキ君、大変だよ。」
「何が大変なんですか？」
ベッドの近くの椅子に腰掛ける。背もたれに体重を少しかけると、小さく軋んだ。
「あのね...耳貸して」
「そ、そんなに大変なことが起きたんですか？」
「うん、結構ヤバめ・・・」
「な、何があったんですか！？」
バカ正直に俺は耳を傾けた。
Aさんは俺の耳を両手で囲い、吐く息がかかるほど唇を近づける。
「！」
「あのね、実は・・・」
両手の中で、Aさんの声だけが反響する。
中性的で、柔らかくて、温かい声。
息継ぎの度に、喋る度に耳に弱い吐息がかかる。
「ねえ、ちゃんと聞いてる？」
「あ、っと・・・」
「まだ話してないけどね。」
「・・・」
「それでね、今日子供達が集団で食あたりになっちゃったんだって」
「・・・はい」
「だから玲名と姉さんが病院いってて、帰ってくるのは明日の朝だって。」
「・・・はい」
「それに加えて、ヒロトとリュウジはなんと出張なの。
・・・もう何が言いたいかわかるよね？」
「ああ、俺が頑張りますよ。残りの子供の飯とか風呂くらいなら・・・」
「ちーがーうーでーしょうがぁぁ！！！」
「うわあ！」
耳元の所為か、大きな声のせいか、心臓が跳ね上がってしまった。
ウサギのような心拍の俺に、Aさんは俺の両肩を掴んでくる。
真っ白い手。
それ以上に機嫌を悪くしたのか、ぐーーっと顔を近づけてきた。
もう頑張らずともキスできるくらい。
あわあわしていると、Aさんは大きなため息をついた。
頭の上で「？？？」しか浮かんでいない俺に、Aさんは追加するように言う
「もう気づいてよマサキ君。」
「すいません、さっぱりわかんないです・・・」
情けなく怯えながら答えると、少しがっかりしたような顔をする貴方。
でも、すぐ表情を変える。その表情はどこか
妖艶で色っぽくて、引きずり込んで魅了するかのような笑み。
「・・・今、私達しかいないんだよ」
ニヤリ、と笑う表情に、そろそろ俺も限界が回る。
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
