summer[19] ページ19
彼の嫉妬心がようやくわかったところで、一瞬の沈黙を破るように勝手にドアが開いた。
こんな失礼な開け方をするのは、リュウジくらいだ。大方マサキ君を呼びに来たに違いない。
「マサキ、ご飯！早く荷物置いてきてよ」
ドアからひょっこり顔を出したのは、予想通り彼だった。丸く黒い瞳、黄緑の横髪が揺れている。
マサキ君もわかっていたようで、リュウジの顔を見ると小さく唸りつつバッグを手にとった。
「今行きます」
「もう、Aのことになるといつもこうなんだから」
決まり文句も呟きつつ、彼はドアを開けたまま背を見せて去っていった。手伝いに行ったのだろう
はふーとため息をつくマサキ君は、未だ席から立とうとしておらず、もやもやしているようだ。
「...会いたいですか？」
「まぁ...会いたいけど」
君がそんな嫌そうな顔をしていたら[うん会いたい！]なんて言えないよ...
なんと小さい嫉妬心であろうか。もしかしたら踏まないだけでまだ多く埋まってるのかもしれない
マサキ君といい風丸君といい、似てるところが結構あるなぁ。そう気付かされた。
「誰にも取られたり奪われたりしないよ」
軽く呟いたその言葉が背を押したのか、彼は椅子からやっと立ち上がった。
「...日程、決まったらいいますね」
「ありがとう」
マサキ君も笑って、部屋を出て行った。
.
.
.
そっと部屋のドアに向かい合って、音がならないよう静かに閉める。
閉まりきったことを確認してため息をつく。上手く笑えただろうか。後悔に似た不安に駆られた。
リビングの方へ行こうと思い振り向くと、自分より背の高い緑川さんがいた。
なんて心臓に悪い。声こそ出なかったものの、驚いて呼吸を忘れてしまった。
「はぁー。よくもまあ、何十分も話題に尽きないこと」
冷笑しつつ皮肉る緑川さんだが、どこか楽しんでるようにも見えた。
なんだかんだ言って、俺の心情を要らないほど理解しているのだ。たまにちょっかいかけるし。
それを肴に話を盛られるからたまったものじゃない。間違いがないのも腹が立つ。
「あと...聞いてたけど、定期テストあるんだって？」
ぴしゃり。本日二度目の電流が毛先から足の指先にまで走る。冷や汗もぶわっと出た。
逸らしていた視線を緑川さんに戻すと、何だか悪い笑顔をしている。分かってて言ってる顔だ。
「勉強、しないとねぇ」
悪魔だ。ドラマに出てくる悪役に違いない台詞だった。反論できないのがいつものオチだ。
「...はい」
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
