summer[18] ページ18
中学生に入るまでには多少の勉学を積ませたい、と私はマサキ君と向かい合って勉強した。
それこそ最初は無愛想で逃げ出すものの、慣れると進んできてくれるまでになった。
初めてそこで自分の存在がありがたいものだと思う。同時に、あの両親にも。
ありがたいことに、不必要なほど英知と美貌を分けてくれた両親のおかげで、彼と仲良くなれた。
皮肉。
私はそうとは思わないが、マサキ君はそう言って悲しそうに笑っていたのを覚えている。
「もう、天馬君とか信助君なんか平均点すら行ってなくて」
「昔のマサキ君みたいだ」
「同じ目で見ないでください！」
俺凄く頑張ってるんですよ、と必死に弁解する彼はやはりまだ子供だと値踏みした。
多少怒っているからか、檸檬色はゆらゆら揺れて綺麗だ。その色は闇夜に浮かぶ月を彷彿させる。
怒る様子を楽しむように見ていると、彼はぷんと突っぱねて拗ねてしまった。
「折角頑張ったのに...」
「分かった分かった、今度お詫びに勉強教えてあげるよ」
「本当ですか！やった、もうすぐ定期テストだったんです」
しかしそれも瞬き同然に早く吹き飛んだ。私が好きな人はどうしてこうもちょろいんだ。
出そうになるため息を飲み込みつつ、私はなんとか苦笑で抑えて彼に見せる。
ああ、彼の将来も心配だ。まだ心身ともに幼い分救いようはあるが。
「そうだ、そのお友達も呼んできなよ。まとめて教えてあげたら...」
ぴしゃっ、とマサキ君の顔が引きつった。頭から微弱の電流をばちっと流されたように。
別に変なことを言ったわけでもないのに驚くのは、マサキ君側に理由があるということだろう。
しかし理由とはなんだ？、と私は首を捻るばかりで結論は全く出てこない。
「...実は、Aさんに会いたいって友達が」
結構。と彼は苦い顔で言った。おいおい、まるで私が対人恐怖症みたいな言い方だな。
勿論私はそんなんじゃない。それに子供は好きな方だ。お日様園にいる子供達も好きだし。
頑なに黙ろうとしたマサキ君の心情を読み取ろうとするが、うまくいかない。
「...うーん、何でそんな顔をしてるんだい？」
「なんか、その、会わせたくないっていうか...」
「な、何で」
頭すっからかんにして聞いた分、[会わせたくない]という言葉が悪く聞こえた。
しかし彼は、思いもしない言葉を私に向けて口走った。
「Aさんが誰かと仲良しになったら、嫌なんです」
...平熱が2度くらい下がったのかと思った。
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
