summer[17] ページ17
重苦しい息と、体に掛かる意味のわからない重圧感で目が覚めた。
またいつの間にか眠ってしまっていたようだ。といっても、薬の副作用だろう。
ふんわりと部屋に舞い込む風。酔いしれるように見つめていると、ドアの向こうから音がした。
バタバタと駆け走るような音、[ただいま]と叫ぶ幼い声。
...勿論、声の主くらいわかっていた。マサキ君に違いない。
ばんっ、というドアの音と共に彼、マサキ君が飛び込んできた。
まさに猫のように、若干興奮気味でベッドに近づいて満面の笑みを見せる
ああ、目前が霞んでしまうくらい眩しい。
掴めない圧力に逆らうように身体を持ち上げようとする。が、思うように動かないもんだ。
「...おかえり、マサキ君」
「...Aさん、体調悪いんですか？」
今朝のことなどまるでなかったかのように、その大きな瞳は私を映す。
私はゆっくりと瞬きをして彼を見つめた。当然身体が軽くはならないが、気持ちは緩む。
こんなに心配されると、[気にかけてくれて心地いい]という悪い感情が成長してしまう。
それも一緒に抑えつつ、彼に話しかけてみた。
「大丈夫だよ。薬の副作用だから」
「大丈夫なわけありません、寝ててください」
彼は捲れていた布団を肩までかけると、呆れたような困ったような表情を浮かべた。
可愛らしいものの、それが私のせいでなっていると良い気分ではない。
せめて一人にはして欲しくないんだけどな。
「でもすぐ治るよ。だから治るまでここで話しててくれると嬉しいな」
ちょっとしたワガママだった。誰かといたい気分だったから、考えもしないうち言葉になる。
でもマサキ君は嫌がる素振りなど一つも見せず、寧ろ淡く微笑んで私を見つめた。
檸檬色の、大きな瞳。
「...はい。でも、何かあったら言ってくださいね」
「うん」
お互いに認識すると、マサキ君はベッドの横にあった椅子に座り込んだ。軋む音が微かに響く。
肩にかけっぱなしだったバッグから手帳を取り出しているよう。
彼を待つ間に天井を見上げる。雲のように白い天井が、病室の中を思わせて気分が少々悪い。
「そうだ、今日小テストが返ってきたんですけれど...俺、満点でしたよ！」
「本当？偉いなぁ、勉強ちゃんとしてるんだね」
「俺、成績の内に３以下ありませんから」
得意げに語る彼は、若干饒舌になってしまいそうで面白い。
前々からだったが、マサキ君はそれこそ秀でるほどではないが頭がよかった。
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
