summer[12] ページ12
「朝練はここまで、各自速やかに教室に向かうように！」
凛とした神童キャプテンの声が響き、各自の動きが緩やかに止まっていく。
一年生は片付けをしてから戻るため、部室に向かう先輩達を横目で見つつ動いた。
ボールの入った籠をしまい、グラウンドをならし、ちゃんと確認してからやっと部室に戻る。
軽いロッカーのドアを開け、着替えようとすると天馬君が後ろから声をかけてきた。
「ねね、狩屋！」
思わず振り返る。天馬君は何があったのか、やけに煌びやかな目で俺を凝視していた。
ああ、この顔は...俺にとって利益がない、というか[嫌な予感]を感じさせる、というか。
どのみちいい感じはしないってことだ。
「あのさ、俺達狩屋のお姉さ
「ダメ」
ほら見ろ。思った以上に、嫌なところを突かれたな。
すると半ばわかっていたようではあったが、もちろんのこと天馬君がぐずった。
「まだ言い終わってないっ」
誰が会わせてやるか。俺だって一日もらえたら、二十四時間あの人の傍にいるって。
確かにAさんは魅力的な人だけど、簡単に会わせてやるほど俺は優しくないぞ。
ただ、相手を知らない天馬君にそんなこと公言してもしょうがない。
「そんなにバタバタ会わせられる人じゃない」
適当な理由を付けてみるが、まだまだ天馬君は不服そうに俺を見ている。
どうせ来るって言っても、信助君や輝君がピクニック気分で来るんだろう。冗談じゃねえ。
「会ってみたかったのに...剣城、何か言ってよー」
ちょうど着替え終わり、ロッカーを閉めた剣城君がこちらを向いた。
だがどちらかっていうと、いい顔はしてない。
「...本人に許可を貰えばいい話だろ」
ぐさり。剣城君の冷静な言葉に、天馬君の方から[おー]と声が上がった。
反射的に剣城君を睨む。もちろん相手に悪気は無いから、効果は皆無だったが。
「お姉さんに聞けばいいですね」
天馬君の後ろからひょこっ、と満面の笑みを浮かべた輝君が顔を見せた。笑顔が何か怖いぞ。
ああ、我ながら情けないことに、いつの間にか後ろに墓穴を掘っていってしまった。
頭を抱えてみるものの、この状況は言い逃れできないだろう。
「今日聞いておいてね！」
天馬君の笑顔も、いつの間にか復活どころがパワーアップしてる、
その眩しさは、あの煩わしいほど輝いている太陽に似ているような気がして、クラっとした。
どうかAさんが[ごめんね]、と言ってくれますように...
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佐奈(プロフ) - 狩穂さん» うわぁぁぁぁ嬉しいです！！ガチにマジで！素敵だなんて...感謝感激雨嵐...更新頑張ります！その内続編も出しますのでそちらもお願いします！！ (2014年9月14日 21時) (
レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
狩穂(プロフ) - やっぱりこの小説ステキです〜(*´・ω・) 毎日、更新、楽しみにしてます(笑 (2014年9月13日 19時) (レス) id: f53fe779b4 (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 暇人です！さん» コメントありがとうございます！意外にってことはシリアス度が少し低かったでしょうか？でもはまっていただき嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: c702872890 (このIDを非表示/違反報告)
暇人です！ - 意外と面白くてはまりました！！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: ae1125bdad (このIDを非表示/違反報告)
佐奈(プロフ) - 狩穂さん＞コメントありがとうございます！こんな小説でよければ頑張って更新率あげようと思います！楽しみにしてもらえて感激です！ (2014年8月19日 13時) (レス) id: d991105954 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e2e95d529a1/
作成日時：2013年7月29日 22時
