ツンデレ幼馴染みと鈍感女子4 (ページ10)

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第159話ページ10

みんなと話していたのに、急になっちゃんが私達の邪魔になるからと言って深澤くんと佐久間くんに声をかけて何処かへ行ってしまった

全然邪魔じゃないのにな...

宮「そうだ。コレ、Aにあげる」

『ヨーヨー？』

宮「Aを待ってる間に阿部とやったんだ」

ピンク色に水玉模様が入ったヨーヨー

『可愛い。ありがとう』

宮「どういたしまして」

ヨーヨーで遊んでいると隣に居る涼太くんがクスリと笑いだした

『どうしたの？』

宮「いや、いつものAだなと思って」

『どういうこと？』

宮「メイクをして綺麗になっているAも良いんだけど、俺はやっぱり飾らないそのままのAの方が良いかな」

『...似合わないよね』

宮「ううん。そうじゃなくて知らないAを見てるみたいで、俺が戸惑ってしまうから」

『え？』

宮「Aがより魅力的な女性になっていくから、目が離せなくなる」

私を見つめる涼太くんは、明らかにいつもと様子が違う
どこか苦しそう

『涼太くん？』

不安になって声をかけると
涼太くんが私の頬を撫でるように触った

『んっ...』

宮「そんな声出さないで。俺も男だから抑えれなくなる」

『でも、涼太くんが触るから...』

宮「...本当にAは可愛いね」

涼太くんの顔が近付いてくる
流れ的に鈍い私でもキスだと分かった

咄嗟に目を閉じると私のおでこに唇が軽く触れた

『えっ...』

宮「どうしたの？」

『いや、その...唇にされるかと...』

宮「唇が良かった？」

『ち、違う！』

宮「冗談だよ」

『もう...』

意地悪な顔をして笑う涼太くんに戸惑ってしまう

宮「おでこへのキスは友愛って意味があるんだよ。俺達は仲の良い幼馴染みだからね。恋人ではないから唇にはしないよ」

『そ、そっか...』

まさか涼太くんにキスされると思わなかったからビックリした

宮「ごめん。Aがあまりに可愛かったから。嫌じゃなかった？」

『嫌じゃないよ』

宮「良かった...」

翔太くんの時と同じだ
嫌じゃないけど、涼太くんの顔が見れない

宮「A？」

私の顔を覗き込もうとするから、目を逸らした

宮「ふふ。可愛い」

いつの間にか、余裕のあるいつも涼太くんに戻っているけど
私は逆に落ち着かない

『ごめん！私お手洗いに行ってくる！』

恥ずかしくて私は走ってその場を去った

宮「さすがに困らせちゃったかな」