第153話 ページ4
翔太side
話が頭に入ってこない
2人だけで花火大会ってデートじゃん
正直、去年は俺が彼女居たから無理だったけど
今年は前みたいに3人で行くのかと思ってた
抜け駆けしようとしたけど、どこかで当たり前に思ってたのに
まさか、こんなことになるとは思わなかった
深「いやー、ビックリしたよね。まさか舘さんが誘ってたなんてさ〜」
渡「何も知らなかった」
深「まぁ、幼馴染みだからって全部話さないんじゃない？」
渡「...Aに確かめてくる」
深「えっ！？」
気付けば俺はAのところに向かっていた
渡「A」
『どうしたの？翔太くん』
渡「今年の花火大会、涼太と2人で行くの？」
『あっ、康二くんから聞いた？』
渡「うん」
『実は去年から一緒に行こうって約束してたんだ』
渡「へぇ〜」
嬉しそうに話すAの顔を見てるとイライラしてくる
そんなに嬉しいなら涼太と付き合えば良いじゃん
『翔太くんは今年どうするの？』
渡「え？何が？」
『花火大会』
渡「あー...俺も誘われてるんだよね。女子から」
俺は咄嗟に嘘をついてしまった
何強がってんだよ。相手なんか居ないのに
『そっか。楽しんでね』
少しはAも何か想ってくれるんじゃないかと期待したけど
Aは顔色何1つ、変わらなかった
渡「はぁ...何やってんだよ。俺」
深「さすがにヘコむよな。好きな女の子が他の男とデートするの楽しみにしてるって」
渡「マジでそれな」
「渡辺くん、どうしたの？」
深「あっ、橋本さん。ちょっと色々あってさ」
「もしかして花火大会のこと？」
渡「なんで分かるんだよ」
「実はさ、Aが誰も一緒に行く相手居ないなら渡辺くんとのデート企画を練ろうとしてたんだよね」
深「そうなんだ」
「2人とも、全然進展がないんだもん。周りが手助けしないと進まないよ」
渡「お節介だな」
「でも、まさか宮舘くんと約束してたなんて知らなかったな〜」
深「え？橋本さんも知らなかったの？」
「そう！隠さなくてもいいのにね！」
深「俺達もビックリしたんだよね。舘さん、珍しく積極的だからさ」
「渡辺くん。いい加減さ、動かないとA取られちゃうよ？Aがモテるの分かってるでしょ？」
そんなこと俺が1番分かってるけどさ...
これ以上、どうすればいいんだよ
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作者名：yuki07 | 作成日時：2024年1月20日 10時
