第177話 ページ28
階段から踏み外したのをスグに気付いた翔太くんが私のことを受け止めてくれたものの
バランスを崩して2人揃って倒れてしまった
だけど翔太くんが下敷きになったから私は痛くなかったけど
翔太くんは頭を打ってしまった
渡「痛っ...」
『翔太くん、大丈夫！？』
渡「うん。Aは怪我ない？」
『私は大丈夫！』
渡「なら良かった」
『でも、翔太くんが...』
渡「たんこぶ出来たかも」
『嘘っ！？』
翔太くんの頭を触って確かめようと手を伸ばしたその時
翔太くんに腕を掴まれた
『翔太くん？』
渡「お前、状況分かってる？」
『状況？』
渡「俺、Aに押し倒されてるみたいになってるんだけど？」
言われて気付いた
私はずっと翔太くんの上に居たことに
『ご、ごめん！』
早く退こうとすると、それを許さないかのように私の腕を離さない
『しょ、翔太くん！』
私が慌ててるのを見てニヤニヤと笑う翔太くん
さっきまで機嫌悪かったのが嘘のようだ
渡「顔真っ赤」
『翔太くんが変なこと言うから...』
渡「変なことって？」
でた。意地悪な翔太くんだ
『は、離して？』
渡「やだ」
『えっ...』
渡「こんなシチュエーションなることないし」
『誰かに見られたら...』
渡「俺は別にいいけど？」
『こんなところでダメだって...』
渡「じゃあ、俺の手振りほどけば？」
『出来ないこと知ってるくせに...』
渡「まぁな」
『と、とりあえず頭冷やさないと...』
渡「ん」
私達はまた救護室に戻ることになった
先生に説明すると呆れられてしまった
「貴方達は揃って何してるの。修学旅行だからって浮かれすぎよ」
渡「『すみません』」
「これから打ち合わせなんだけど...」
『大丈夫です。翔太くんは私が付き添ってるので先生は行って下さい』
「じゃあ頼んだわよ」
『はい』
大丈夫だって言ったけど、いざ2人きりになるとさっきのことを思い出して気まずい
渡「まだ気にしてんの？」
『だって...』
渡「マジでピュアだよな」
『経験ないから...』
渡「いや、あっても困るって」
『それもそっか...』
渡「...涼太放っといて良かったのかよ」
『え？』
渡「良い雰囲気だったじゃん？俺、明らかに邪魔者だったし」
『翔太くんのことを気にしてたら涼太くんが背中を押してくれて...』
渡「ふーん...」
困ってるといつも手を差し出してくれるから甘えてしまったけど、これで良かったのかな？
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作者名：yuki07 | 作成日時：2024年1月20日 10時
