第176話 ページ27
翔太くんの声だとスグに分かった
だけど、この状況どうしたら良いんだろう
頭の中でパニックになっていると涼太くんが耳元で
”大丈夫。俺に任せて”と言って私と距離を少しとった
宮「翔太。どうしたの？」
渡「いや、どうしたじゃなくてさ」
宮「俺はAがお風呂でのぼせて倒れたって聞いて心配で駆けつけたんだ」
渡「俺もそうだけど...」
翔太くんも心配してくれてたんだ
心配かけたことを謝りたいところだけど、とてもそんな空気じゃない
渡「俺が聞きたいのはさ、涼太がAにしてたことで＿＿」
宮「ハグのこと？」
渡「...うん」
宮「俺とAの関係だよ？ハグなんて今更じゃない？」
渡「はぁ？」
任せてって言ってたけど、どんどん空気が悪くなってる気がする
宮「それに俺はAに許可を貰っての行動だから無理やりではないよ。ね？」
『う、うん』
宮「俺は今まで翔太がAにしてきたことを見逃してきたけど、そもそも翔太はAの彼氏でもないんだから口出しする筋合いはないよね？」
『あの、涼太くん...』
渡「...勝手にしろよ」
『あっ！翔太くん！』
機嫌悪くなった翔太くんが早歩きで去って行った
『涼太くん、任せてって言ってくれたのに...』
宮「ごめん。つい本音が出ちゃって」
今まで2人が大きな喧嘩になることはなかった
それなのに、私のことで関係が悪くなってしまうかもしれない
どうしよう...
宮「翔太のこと気にしてるんでしょ？」
『うん...』
宮「俺が行っても機嫌悪くするだけだから行ってあげて」
『うん。分かった！』
私は救護室を出て翔太くんを追いかけた
宮「本当に行っちゃうんだね...」
佐「...涼太」
宮「佐久間。居たんだ」
佐「うん。翔太が慌ててたから気になってさ」
宮「じゃあ失恋したの見られちゃったね」
佐「お前、良い人すぎるんだって」
宮「うん。演じすぎたかもしれないな」
翔太くんを探していると後ろ姿を見つけて声をかけた
『翔太くん！』
渡「何の用？」
声をかけるも翔太くんは振り返らない
『えっと...』
声をかけたけど、なんて言えば良いだろう
涼太くんと仲直りしてと言うのも違うと思う
考えていると先に口を開いたのは翔太くんだった
渡「涼太とイチャイチャしてたら良いじゃん。じゃあ」
『ま、待って！うわっ！』
去ろうとする翔太くんを追いかけようとしたら階段を踏み外した
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作者名：yuki07 | 作成日時：2024年1月20日 10時
