第170話 ページ21
翔太side
修学旅行でAと同じ班になった
まさか誘われるとは思ってなかったから内心嬉しかった
その気持ちは隠してるつもりだったけど、ふっかにはバレバレだった
楽しみにしていた修学旅行だけど、坂本が俺に話しかけてくるからAとはあまり関われていない
自惚れてるわけじゃないけど
多分、坂本は俺のことを好きだと思う
今まであまり接してこなかったけど、修学旅行で距離を縮めようとしているのか隣に居ることが多い
好かれることは悪い気はしないけど、ここまでくると面倒くさくなってくる
坂本に気を遣っているのかAには避けられるし良いことがない
ふっかと一緒に居たはずのAの姿がなかったから聞けば
涼太と着物を見に行ったらしい
修学旅行じゃなくて、もうデートじゃん
仕方なく坂本とお土産を見ていたらAと涼太の姿があった
2人で時代劇に出てきそうな格好をしているせいか、まるで2人だけの世界みたいじゃん
しかも周りから「お似合い」って声が聞こえる
「宮舘くんと櫻木さんが付き合ってる噂って本当かな？」
渡「え？」
「この前の花火大会で手繋いでたらしいよ」
渡「別に手を繋いでるから付き合ってるか限らなくね？」
「好きでもない相手と手なんて繋がないと思うけどな」
確かにそれはそうだよな
本当、Aのこと分からなくなる
アイツは誰を見てるんだよ...
涼太と楽しそうに笑ってさ
いっそのこと付き合えば俺も諦めつくのに...
制服に着替えたAと涼太が俺達のところに来た
深「あっ、Aちゃん来た来た！」
『ごめん。急に単独行動して』
深「全然！舘さんと思い出作れた？」
『うん！ありがとう』
宮「翔太、Aと同じ班だったんだね」
渡「うん」
宮「翔太が羨ましいな」
渡「羨ましいってなんだよ」
宮「俺達クラスが違うでしょ？どうしてもAとの修学旅行の思い出が欲しくて声かけたんだ」
渡「ふーん...」
宮「Aと思い出作りたいなら自分から動きなよ」
渡「え？」
宮「Aは人のことを優先しちゃうから」
渡「分かってる」
宮「Aも本当は同じ気持ちだと思うよ」
地味に何でも知ってるマウントじゃん
宮「じゃあ、俺戻るね」
『ありがとう。この簪も』
宮「うん。じゃあ」
楽しかったのか、涼太から貰った簪を見て嬉しそうにしている
マジで色んな意味でしんどいわ
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作者名：yuki07 | 作成日時：2024年1月20日 10時
