ツンデレ幼馴染みと鈍感女子4 (ページ18)

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第167話ページ18

修学旅行の日、私の気持ちは複雑なままだった

バスに乗ると坂本さんは積極的に動いて翔太くんの隣に座った
誰からでも分かるアプローチだ

私の隣には同じ班の深澤くんが座った

バスの時間、坂本さんは翔太くんに色々話しかけていた
何を話しているのか気になりつつ、私は平然なふりをして買ってきたお菓子を食べていた

渡「あっ、A！それ1つちょうだい」

『はい、どうぞ』

「...渡辺くん、そのお菓子好きなの？」

渡「まぁね。小さい頃から食べてる」

「そうなんだ～」

翔太くんはこうやって話しかけてくれるけど、その度に坂本さんが複雑そうな顔をしているから気まずい

深「俺も1つ貰ってもいい？」

『うん』

そんな時に声をかけてくれるのが深澤くん
1人だけ事情を知ってくれてる人が居るだけで心強い

京都に着き昼食が終わると自由時間が始まった

ここからは班行動
2人きりにさせてあげようとすれば翔太くんに呼び止められた

渡「どこ行くんだよ。班行動だろ」

最もなことを言われて何も言い返せない

『と、トイレ？』

渡「さっきも行っただろ」

『食べ過ぎたかも。あはは』

「渡辺くん！お土産一緒に見よう！」

渡「あぁ、うん」

坂本さんが居ると気を遣って、いつも通りに接することが出来ない
不自然すぎて翔太くんにも見抜かれるのが時間の問題だな

深「2人にしてあげるのも良いけどさ、なべとの思い出作らなくていいの？」

『でも、坂本さんの邪魔になるでしょ？』

深「なべはそれを望んでないと思うよ」

『え？』

深「なべ、普通にしてるけどAちゃんに同じ班に誘われて嬉しそうにしてたんだよね～。なべはAちゃんと思い出作りたいと思うよ」

『それは私も同じ気持ちだけど...』

深「Aちゃんは優しすぎるんだって。たまには自分に正直になった方が良いよ」

正直にって言われても、もともと積極的な方ではないから
どう動けば分からない

宮「A」

聞き慣れた声に振り向くと、いつもの涼太くんの姿ではなく
まるで時代劇に出てるようなかつらを着けて着物姿で立っていた

『えっ！？その姿どうしたの？』

宮「1時間だけレンタルで借りたんだ。どうかな？」

『凄く似合ってるけどビックリしちゃって...』

深「えっ、舘さん似合いすぎ！」

宮「せっかく京都に来たから満喫しておこうと思ってね」

『そうだったんだ』

涼太くんのレアな姿が見れて複雑だった気持ちが少し軽くなった気がした