第166話 ページ17
季節は秋になり少し涼しくなり始めて頃
高校生活でのビックイベント修学旅行が近付いていた
行き先は京都
いつか行ってみたいなと思っていたし、今の時期なら紅葉が綺麗なんだろうな
「櫻木さん」
声をかけてきたのは、あまり話したことがないクラスメートの女の子、坂本さんだった
『どうしたの？』
「今日ってさ、修学旅行の班決めでしょ？」
『うん』
「一緒の班にならない？」
『いいよ』
「でさ、他のメンバーなんだけどさ、渡辺くん誘ってくれない？」
『翔太くん？』
「うん。実は渡辺くんのことが好きで今回の修学旅行で距離を縮めたいの！櫻木さん仲良いでしょ？」
なるほど
そういうことか
「お願い！」
『...わかった』
断りづらくて受け入れてしまった
「ありがとう！私は櫻木さんと深澤くんのこと応援するね！」
『え？深澤くん？』
「深澤くんと良い感じだよ？私に任せて！」
深澤くんとは確かに仲良くしてもらってるけど、そういうことではないんだけどな...
坂本さんとの話が終わったあと、ちょうど翔太くんと深澤くんが一緒に居たから声をかけてみた
『翔太くん、深澤くん。良かったら修学旅行の班一緒にならない？』
深「全然いいよ！な？なべ！」
渡「うん。別に良いけど」
『良かった〜』
深「でも、4人だよね？あと誰にする？」
『坂本さんが一緒になろうって声をかけてくれてる』
渡「ふーん...」
坂本さんの名前を出しても翔太くんは興味なさそうな反応していた
でも、坂本さんに頼まれたとはいえ修学旅行で翔太くんと一緒に居れるのは思い出に残るし良いかもしれない
翔太くんが用事で教室から出て行ったあと、深澤くんに声をかけてきた
深「坂本さんってさ、なべのこと好きだよね？」
『どうしてそれを？』
深「なべも気付いてると思うよ」
『翔太くんと距離を縮めたいんだって』
深「Aちゃんはそれの手助け？」
『そんなところかな』
深「でもさ、意味ないんじゃない？なべが好きなのはAちゃんだしアイツ意外と一途だよ？」
『断れなくて...』
深「ぶっちゃけさ、Aちゃんはなべのことどう思ってるの？人の手助けするぐらい何とも思ってない？」
『もう、わからなくなってきてる』
深「そっか〜」
翔太くんが私を好きなのを知ってるくせに、他の人のことを手伝うって私は何をしてるんだろう
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作者名：yuki07 | 作成日時：2024年1月20日 10時
