ツンデレ幼馴染みと鈍感女子4 (ページ11)

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第160話ページ11

お手洗いだなんて嘘をついて涼太くんを置いてきてしまった
今は涼太くんの顔を見れないし、きっと上手く話せない

あんな顔見たことなかった
知らない人を見てるみたいで少し戸惑ったけど
熱くて優しい涼太くんの目を見ると目が離せなかった

まだ涼太くんの唇の感触を覚えていて、思い出すと体まで熱くなりそうだ

飲み物でも買って落ち着こうにも花火大会で人が多いな

ドンッ

渡「あっ、すみません」

『いえ、こちらこそ』
　

顔を見ると翔太くんだった

渡「A...」

『翔太くん！やっと会えたね』

みんなとは会えたけど翔太くんとはまだ会えてなかった

渡「...涼太は？」

『涼太くんは、その...』

渡「涼太と何かあった？」

『ど、どうして？』

渡「いや、様子可笑しいし」

『ちょっと、色々あって...』

渡「...ちょっとこっち来て」

『え？』

翔太くんに手を引かれて来た場所には人が少なくて話はしやすい
けど、翔太くんには言いづらいな...

渡「で、何があった？」

『えっと...』

渡「言うまで帰さないから」

『たいしたことじゃないから...』

渡「たいしたことじゃないのに、顔赤くなるわけ？」

『えっ！？』

私、まだ顔赤いんだ

渡「なに？涼太にでもキスされた？」

『ど、どうして...』

渡「えっ...マジ？」

『...おでこに』

渡「ふーん...」

『おでこへのキスが友愛らしくて...』

渡「へぇ～」

『恋人ではないから唇にはしないよって言われて...』

渡「唇にされるの期待してたんだ？」

『そうじゃないけど...』

渡「唇にされると思ってた時点で期待してんだよ」

確かに、え？とはなったけど...

『そんなこと...』

渡「なんかムカついてきた」

『え？』

渡「涼太と気まずいなら俺が忘れさせてやるよ」

『ちょ、ちょっと待って...』

近くにあった木に追い込まれて
翔太くんは私の言葉を遮るように私の唇を塞いだ

前にされた優しいキスじゃない
少し強引で唇が離れてはまた触れて、何度も角度を変えて深いキスをされた
キスなんて経験もないから上手く息が出来ない

『んんっ...翔太くんっ...』

力が抜けて立ってられなくなると翔太くんが私を支えた

『も、もう、ダメ...』

渡「...っ」

その言葉は届かずキスを続けるから、翔太くんの胸元を叩いて止めようとすると腕を掴まれた

『はぁ...もう無理...』

渡「俺だって無理だから」

『え？』

渡「...好きな子が他の男のこと考えてんの無理」