第150話 ページ1
夏がやってきた
私はバイトの日数を減らして勉学に励むことにした
クラスメートが進路の為に準備しているのを見ると焦ってしまっているのが自分でも分かる
学生生活、最後の年ではあるけど青春してる場合ではないかもしれないけど
今年も花火大会がやってくる
去年、私と涼太くん、なっちゃんと阿部くんでＷデートをしたのが懐かしい
「ねぇ、A。今年の花火大会どうするの？」
『涼太くんと去年に約束してるんだよね』
「えっ！？そうなの！？」
でも、涼太くん約束覚えてるかな？
「私、何も聞いてないよ！今年は渡辺くん誘ってＷデート計画立てようと思ってたのに！」
『え？どうして？』
「だってさ、渡辺くんとあれからどうなの？進展ないよね？」
『うん』
「だったら周りが動くしかないじゃん！」
『別にいいよ』
確かにデートをしてから、あれから一切何もない
話すことはあっても普通の会話だけだけど...
「そんな中さ、宮舘くんと2人きりで花火大会ってどうなの？」
『どうって？』
「渡辺くんの気持ち！同じ幼馴染みの宮舘くんとデートしてるの見たら複雑じゃん」
『デートじゃないよ』
「Aがそう思ってるだけで宮舘くんは分からないじゃん」
男女が一緒に出掛けるからデートとは限らないと思うけど
なっちゃんにこれ以上言っても意味ないか
「あっ！ちょうど宮舘くん居るよ！聞いてみよう！」
『え？』
「宮舘くん！ちょっと良い？」
『ちょっと！なっちゃん！』
なっちゃん、何を聞くつもりなんだろう？
宮「どうしたの？」
「Aとデートするんだって？」
宮「デート？」
「花火大会の話！」
宮「あ〜」
向「えっ！？舘さん、デートするん？」
宮「去年に約束した」
向「聞いてへんで！」
「向井くんはちょっと黙ってて！それってさ、宮舘くん的にはデートって思ってるの？」
宮「え？」
『ごめんね。なっちゃんが変なこと聞いて』
宮「人によって捉え方は違うけど、俺はまた一緒に来たかったからAを誘っただけだよ」
「じゃあデートではないの？」
宮「まぁ、これをデートと思うなら思ってくれてもいいよ。迷惑とは思わないし」
向「否定せえへんの舘さんらしいな」
「その言い方ズルくない？結局は教えてくれないんだ」
宮「うん。想像にお任せするけど、形は1つではないってことは忘れないでね」
「なんか、上手く纏められた感じする」
さすが涼太くん
私だけだったら、ずっと言い合いしてたんだろうな
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作者名：yuki07 | 作成日時：2024年1月20日 10時
