ツンデレ幼馴染みと鈍感女子3 (ページ45)

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第144話ページ45

楽しみにしてたはずの映画なのに、今は横に居る翔太くんが気になって集中出来ない

チラッと横を見れば、なんともない顔をしている

意識させるだけさせて余裕なんてズルい

そういえば忘れてたけど
実はなっちゃんに映画を見に行くって言った時に色々と注意を受けていたんだった
　
昨日の帰り際に...

『明日、翔太くんと映画に行ってくる』

「映画デートか～。ペアシートは2人きりの空間になるから選ばれたら気をつけなよ！」

『気をつける？映画見るだけだよ？』

「分かってないな～。映画館は暗がりだよ？何が起こるか分からないんだから」

『そうなの？』

「定番で言えば、手を握られたりとか場合によればキスの流れになる可能性もあるから！渡辺くんならやりかねない」

はぁ...

どうして今その話を思い出しちゃったんだろう

ペアシートに座って、手も握られてる

あとは...

渡「なに？映画見ないの？」

『...見れなくなった』

渡「んふふ。可愛い」

きっと私が戸惑うのを分かっていて計算だったんだろうな

結局映画の後半は、ほとんど頭に入ってこなかった

渡「映画久しぶりに見たわ」

『嘘だよ。翔太くん、全然映画見てなかった』

渡「Aだって見てなかったじゃん」

『それは翔太くんが...』

渡「俺が、なに？」

ニヤニヤと私の顔を見る翔太くん

私の反応を楽しそうに見ているのが分かる

『映画楽しみにしてたのに...』

渡「また見に来れば良いじゃん」

『もう翔太くんとは映画見に来ない』

普通に一緒に映画見るだけだと思ってたのに、こんなことになるなんて思いもしなかった

『私のこと、からかいすぎじゃない？』

渡「反応可愛かったから」

『...翔太くんの意地悪』

渡「ふはは。Aが睨んでも怖くないな」

ずっと私ばかり戸惑ってて悔しい
でも、私にも秘策がある

深澤くんの案だけど

深「いよいよ明日デートだね」

『デートって、ほとんど経験ないからどうしたら良いんだろう』

深「うーん、Aちゃんの場合、なべにリードして貰うのが良いとは思うけど、たまに女の子が積極的なるとドキッとすると思うんだよね」

『例えば？』

深「自分から手を繋ぐとか、名前を呼び捨てとか？恋人なら不意打ちにキスとか」

『なるほど』

深「なべ、ツンデレだけどさ不意打ちには弱いと思うんだよね。試してみて。で、また感想聞かせてね！」

せっかくアドバイス貰ったんだから試してみてみよう

私は翔太くんの手を握ることにした