第141話 ページ42
涼太くんに相談して翔太くんをデートに誘おうと思ったものの、どうやって声をかけたらいいのか悩んでいた
ストレートに言うのが1番良いんだろうけど少し恥ずかしい気持ちもある
でも、このままだと先にも進めないしいくしかないよね
『翔太くん！』
渡「ん？なに？」
『えっと...その...』
声をかければいつものように反応する翔太くんに比べて、今の私は落ち着きないと思う
『翔太くん、デートしよう！』
渡「は？」
「なになに？」
「デートだってさ」
「櫻木さんが渡辺くんをデートに誘ってる！」
「マジかよ！」
やってしまった
どう声をかければいいか、さんざん悩んだくせに
教室で声をかけたらみんなにバレて弄られるのが落ちだ
なにやってるんだろう
渡「此処じゃ話にならないから行くぞ」
『えっ！』
翔太くんは周りの声を無視して私の腕を掴んで教室を後にした
渡「此処まで来れば大丈夫か」
『う、うん』
渡「お前さ、いきなりすぎだから」
『ごめん』
渡「Aからの誘い嬉しいけどさ、もう少し言い方とかあるじゃん」
『色々悩んだんだよ。悩みすぎた結果あんなことになっちゃって...』
渡「まぁ、いっきに広まるよな」
『ごめん』
渡「別に良いって。なんなら他の男に見せつけたって感じで気持ちいい」
『えっと...改めて言わせて？』
渡「ん」
『今度の日曜日、空いてる？』
渡「ふはは！うん。空いてる」
『一緒に映画とかどうかな？』
渡「うん。いいよ。何見る決めといてよ」
『分かった！』
渡「ちなみにさ、このデートって涼太が勧めた？」
『え？どうして？』
渡「いや、Aが自ら決めた感じではないよなって」
凄い。当たってる
涼太くんがアドバイスしてくれなかったら、この発想はなかったかもしれない
『うん。涼太くんがアドバイスをくれて...』
渡「やっぱりな」
『一緒に過ごしてみたらって言われて...』
渡「そっか」
『私も翔太くんに向き合わないとなって...』
渡「...うん」
『授業始まっちゃうね。教室戻ろう？』
渡「うん」
教室に戻ると、案の定弄られることになった
私が弄られることに慣れてなくて困っていると
翔太くんは逆に
渡「うん。デート行ってくるわ」
と堂々とみんなに返事をしていた
深「Aちゃん、感想待ってるよ！」
『あはは...』
深「愛想笑い！」
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作者名：yuki07 | 作成日時：2023年11月11日 18時
