第131話 ページ32
まだ少しドキドキしてる
渡「まだ顔真っ赤じゃん。耳まで赤い」
『いちいち指摘しないで』
渡「好きな子には意地悪したくなるの。俺」
好きな子...
そうか。だから私、小さい頃から意地悪されてたんだ
渡「やばっ!俺、風邪ひいてんのにAにめっちゃキスしちゃったじゃん!」
『あっ...』
渡「うわぁ...移ったらごめん」
そうだよ
私、看病しに来てたんだった
『まだ寝てなきゃダメだよ』
渡「あぁ、うん。そうだな」
『じゃあ今度こそ帰るね』
渡「うん。ありがと」
『お大事に』
翔太くんの家を後にして今日のことを振り返る
まさか翔太くんとあんなことになるとは思わなかったな
翌日、翔太くんは元気になって学校に来た
渡「A、昨日はありがとう」
『ううん。元気になって良かったね』
渡「A。昨日のこと、熱のせいじゃないから」
『え?』
渡「俺、正気だったしマジだから」
翔太くんの目は真剣だった
これから、私達の関係はどうなるんだろう
翔太side
風邪も治って学校に来るといつものAの姿があった
話しかけても、いつも通りの接し方に安心した
気まずくなって避けられるんじゃないかと思ってたから
宮「翔太、もう大丈夫なの?」
渡「あぁ、うん。平気」
そうだ
涼太にもちゃんと言わないといけないよな
Aのことなら尚更
渡「なぁ、涼太」
宮「なに?」
渡「俺、昨日Aに告白した」
宮「そう」
渡「え?反応薄くね?」
宮「翔太がAのこと好きなのは知ってたからね」
だよな
涼太ってAのこともだけど
俺のことも見てる
渡「...キスもした」
宮「Aの合意があるなら良いとは思うけど、どうして俺に言うの?」
渡「いや、俺達幼馴染みじゃん?関係が可笑しくなる前に伝えとくべきかなって...」
宮「なるほどね」
渡「それ以上はしてないから」
涼太はいつも冷静だよな
俺だったら、こんな反応出来ない
渡「ごめん。関係壊すようなことして」
宮「Aが翔太と付き合うかはAが決めることだから、俺には関係ないよ」
渡「なんだよ、それ。お前もAのこと好きなんだろ?」
宮「...好きだよ」
渡「なら、なんで...」
宮「Aが幸せになってくれるなら、それでいい」
渡「良い人かよ...」
宮「ふふ。そうでもないよ」
笑った涼太が何を考えてるか俺には分からなかった
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作者名:yuki07 | 作成日時:2023年11月11日 18時