ツンデレ幼馴染みと鈍感女子3 (ページ30)

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第129話ページ30

翔太くんにキスされた
私にとってはファーストキスだった

ファーストキスだと言ったら
謝られたけど、嫌ではなかった

私の理想のファーストキスは観覧車のてっぺんだと言えば翔太くんに笑われた

渡「前にさ、ふっかもプロポーズするなら観覧車のてっぺんでとか言ってたんだよね」

『プロポーズはさすがにレストランでしょ』

渡「ははは。だよな」

その時を思い出したのか大笑いしている翔太くん
仲良いよね。本当に

渡「本当にごめん。でもさ、俺本気だから」

『え？』

渡「Aのこと好き。子供の頃からずっと」

『えっ！？』

翔太くんが私のことを？
そんな雰囲気なかったはず...

渡「お前、全然意識してくれないからってキスするの間違いなのは分かってたんだけどさ...」

『...うん』

渡「部屋に2人きりで、Aが近くに居たら我慢出来なかった」

『翔太くん...』

渡「俺、お前が思ってるほど優しくないから。下心だってあるし、ヤキモチもやいてる」

まさか、そんなふうに思ってくれてるとは思わなかった

『...翔太くんは優しいよ』

渡「優しい奴がいきなりキスするか？相手の合意もないのに。しかもファーストキスとか...」

『でも、嫌じゃなかったよ』

渡「...嫌じゃないならさ、キスやり直していい？」

『えっ...』

渡「ファーストキス、あんなんじゃ嫌だろ。ロマンチックでもないし」

『...観覧車じゃない』

渡「...良いか？」

『...っ！』

耳元で聞いてくるなんてズルいよ

返事するのが恥ずかしいから、かわりに私は目を閉じた

待っていると翔太くんにキスされた
軽く触れるキス

目をゆっくり開ければ、まだ翔太くんの顔が近くにある

『翔太くん...』

渡「A、好きだ」

そう言うと、またキスをされた
次は軽く触れるようなキスじゃなくて
唇に触れては少し離れて、角度を変えて長くて少し大人なキス

『はぁ...翔太、くん。もう、無理』

渡「あっ、ごめん」

『はぁ...はぁ...』

キスなんて初めてだから息が苦しかった

渡「マジごめん。がっつきすぎた」

『ううん』

渡「受け入れようとしてくれるA、スゲー可愛かったから...」

『知らない翔太くんを見た気がする』

渡「怖かった？」

『ううん。大丈夫』

渡「そっか...」

私が浮かぶ翔太くんは、いつも笑顔で優しくて意地悪

きっと私の知らない翔太くんの姿がまだまだあるんだ