ツンデレ幼馴染みと鈍感女子3 (ページ28)

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第127話ページ28

翔太side

風邪をひいた
多分、原因は昨日Aのことを待っていたからだと思う。自業自得だよな

薬は飲んだけど、しんどいのは変わらない
お腹も少し空いたけど、自分で何かする元気はない

どうするか考えていたら家のチャイムが鳴った
こんな時に誰だよと少しイラつきながらドアを開けるとAが立っていた

渡「え？A？何で家に...」

『深澤くんから風邪をひいたって聞いた。ごめん。昨日待たせてたから体冷えちゃったせいだと思う』

渡「別にお前悪くないから」

『深澤くんに看病しに行ってあげたらって言われて、色々買ってきたの。入ってもいい？』

渡「...風邪うつっても知らないからな」

ふっかのやつ、余計なこと言いやがって...
とか思いつつもAが来てくれたことは嬉しかった

久しぶりの俺の部屋を見てキョロキョロと周りを見ているA
どうせ昔と違うとか思ってんだろうなと思ったら案の定そうだった

Aにとって俺は昔のままで、ただの幼馴染みなんだって毎回思ってしまう

『薬飲んだ？』

渡「うん。飲んだから朝よりはマシ」

『食欲ある？』

渡「どうだろ。お腹は空いてるけど」

『じゃあ、ゼリー買って来たから食べる？』

渡「...食べる」

『はい。どうぞ』

なんか違うんだよな...
そうだ。せっかくなら、あーんとか頼んでみるか

『食べないの？』

渡「俺、病人じゃん？食べさせてよ」

『え！？』

Aは俺がこんなこと言うのが予想外だった驚いてる

渡「ダメ？」

『ううん。いいよ』

少し甘えた感じで言えば受け入れてくれた

口を開けて待っていると少しテンパっている
多分、あんまり経験ないんだろうな

『あーん』

渡「ゼリー久しぶりだわ」

『美味しい？』

渡「うん。美味い」

Aにゼリー全部食べさせて貰った
病人の特権だよな

『なんか餌付けした気分』

渡「なんだよ。それ...」

『冷えピタあるけど貼る？』

渡「うん」

『じゃあ動かないでね』

おでこに張るから顔が近付くわけで風邪をひいてても
やっぱり好きな子が近付くと意識する

『はい。貼れたよ』

渡「ありがと...」

『そろそろ帰るね。私が居たらゆっくり出来ないだろうし』

え？もう？早くない？
まぁ、風邪をうつったら悪いし帰って貰ったほうが良いのは分かってる

けど...

俺は帰る支度をしてるAの腕を掴んだ

『翔太くん？』

渡「...もう少しだけ居てよ」

恥ずかしくて顔は見れない
けど、頷いたことだけは確認した