第124話 ページ25
翔太side
今日1日ずっとソワソワしてた
Aがいつチョコ渡してくるか
けど、俺って結構モテるから女の子がチョコを持って来てくれる
まぁ、男としては嬉しいけど
やっぱり本命から欲しい
結局、放課後になってもAが声をかけてくることはなかった
予想外だった
小学生の頃に貰っていたから、当たり前のようにあると思っていたからショックだった
渡「はぁ...」
深「どうした？バレンタインなのにため息ついて」
渡「...Aからチョコ貰ってない」
深「え？マジで？俺、貰ったよ」
渡「はぁ！？何でお前が貰えて俺が貰えてないんだよ！」
深「まぁまぁまぁ。まだバレンタイン終わってないじゃん？」
渡「そうだけどさ...」
モヤモヤする
ふっかも俺の反応見てニヤニヤしてるし
深「なべ、安心して。Aちゃん、本命はないらしいから」
渡「友チョコってやつか」
深「うん」
本命がないってことは、俺も涼太も本命じゃないってことになるよな
「渡辺くん！ちょっといいかな？」
渡「あぁ、うん」
恥ずかしながら女の子が俺を呼ぶ
多分、告白だろうな
「これ、バレンタインチョコ！」
渡「ありがと」
「それと、ずっと前から好きです。付き合って下さい！」
ストレートに想いを伝えてくれてスゲー嬉しかった
でも...
渡「ごめん。俺好きなやつ居るから」
「櫻木さん？」
渡「えっ...」
「渡辺くん、分かりやすいよ」
渡「マジ？」
「見る目が違うもん。梨花の時とも違う」
渡「そんなに？」
「言えてスッキリした！じゃあね！」
渡「おぅ...」
そんなに分かりやすいのか？
だとしたらA以外にバレバレじゃん
深「あっ、なべ。おかえり」
渡「ただいま」
深「さっき、Aちゃん来てたよ」
渡「え？」
深「なべにチョコ持って来たんだけどバイトで帰っちゃった」
渡「呼び止めとけよ」
深「結構ギリギリまで居てくれたよ？」
マジかよ...
深「代わりに渡しても良かったんだけどさ、なべ俺から貰っても嬉しくないじゃん？」
渡「マジそれな」
タイミング悪すぎだろ。俺
でも、ちゃんと用意してたことに安心した
わざわざ体育館まで来たんだから渡す気はあるはず
Aの家に行って待ってみることにした
だけど案の定、バイトでなかなか帰ってこない
俺、どんだけチョコ欲しいんだよ
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作者名：yuki07 | 作成日時：2023年11月11日 18時
