ツンデレ幼馴染みと鈍感女子3 (ページ17)

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第116話ページ17

翔太くんが居なかったから私は今頃どうなっていたのかと考えると恐ろしい

渡「大丈夫か？まだ震えてたけど」

『え？』

渡「手震えてる」

手の震えを押さえようとすると、翔太くんが私の手を優しく包み込んだ

翔太くんの手の温もりに安心する

渡「もう大丈夫だから」

『...初めて男の人が怖いって気持ちになった』

渡「俺も怖い？」

『翔太くんは大丈夫』

渡「ん。良かった」

いつもと違う優しい声のトーンに大人っぽさを感じる

渡「もう合コンなんか行くなよ」

『うん』

渡「どんだけ心配したか...」

『心配してくれたの？』

渡「当たり前だろ。変な男に襲われてないかヒヤヒヤした」

『翔太くんが来てなかったら...』

渡「間違いなくお持ち帰りだな」

『そうだよね...』

渡「あんな奴のことなんか早く忘れろよ」

『でも、やっぱり思い出しちゃうから...』

渡「じゃあさ、俺でいっぱいになれば忘れられる？」

『え？』

渡「上書き。俺なら怖くないって言ったじゃん。少しは忘れられるかもしれないだろ」

『でも、そんなこと翔太くんに頼めないよ』

渡「俺が嫌なんだって。あんな奴にAが触られたの」

『どうして？』

渡「あー！もう！お前は黙ってろ！」

『う、うん』

渡「何されたか言える？」

『髪の毛を触られたり、耳元で囁かれたりされた』

渡「キス、とかは？」

『キスはされてない』

渡「そっか...」

もう少し遅かったら、どうなっていたか分からない
もしかしたらキス以外のことも可能性があったかもしれない

渡「A、もう思い出さなくていいから俺のこと見て」

『翔太くん...』

渡「あんな奴のこと忘れさせるから」

髪の毛を触られたり、耳元で甘く囁かれて
耳が弱い私は声が出てしまうのを我慢した

『んっ...』

渡「俺的には聞きたいんだけどさ、家の人も居るからこのまま我慢ね」

『...無理だよ』

渡「声、我慢してんの可愛い」

『翔太くん、もう恥ずかしいよ』

渡「顔真っ赤じゃん。アイツにもそんな顔してたのかよ」

『してない。翔太くんだから...』

渡(はぁ...可愛いにも程があるって)

いつもの無邪気な翔太くんの姿はなくて
初めて幼馴染みの見たことない顔を見た気がした

渡「落ち着いたみたいだし俺帰るわ」

『もう遅いから泊まっていく？』

渡「はぁ！？お前何言って！」

『よく一緒にお泊まりしたよね』

渡「昔の話だろ」

『布団用意してもらってくるね』

渡「お、おい！」

渡(勘弁してくれよ)