第6話 ページ7
長義side
それからは何事もなかったかのように黙々と仕事と向き合っている
俺はその様子を書類に目を通しながら隣で見ている
『なんか不思議だね』
「何がかな?」
『長義が隣で一緒に仕事しているの』
「そうかな?」
『会社の同僚みたい。先輩後輩みたいな?』
「もちろん、それは俺が先輩かな?」
『そうかも』
「ははは。後輩でいいのか」
『政府でもこんな感じだった?』
「そうだね。まぁ、此処みたいに居心地は良くないね」
しまった
これだと、主の隣が居心地いいと言っているみたいじゃないか
『そっか。人間関係とかあるもんね』
「俺は刀だが、まぁそうなるね」
はぁ。鈍感で何よりだ
『でも、部屋の行き来めんどくさくない?』
「何がかな?」
『書類のこと聞きにきたりするの。今日みたいに一緒にこの部屋で...』
「今日は偽物くんが居ないからね」
『そっか...』
「....」
『確かに長義はテキパキ出来るけど、私の仕事っぷりも良いわけじゃないし、ストレス与えちゃうかもしれないね』
偽物くんが居るから、この部屋に必要以上に行かないだけだが
何か勘違いしているようだ
「もし、部屋への行き来がなくなれば君は俺のところに来なくなるだろう?」
『まぁ、少しはなくなるかも?』
「それだと少し寂しくなるじゃないか」
『それもそっか。わかった』
単純で助かったよ
「そろそろ休憩にしようか」
『そうだね』
「じゃあ、俺はお茶を用意してくるよ」
『あっ、私も行くよ』
「主はゆっくり__」
『きゃ!?』
「うわぁ!?」
『ご、ごめんなさい!』
「いや...」
「どうした?大きな物音がしたが...」
「『....っ!』」
「おっと。これは驚きな状態だな」
「主さんったら、大胆!」
『こ、これは!』
状況を言えば
慌てて立ち上がった主が足を滑らせ俺の上に覆い被さっている
動揺している主を鶴丸と乱はからかっている
「邪魔したな」
「ごゆっくりー!」
『ちょ、ちょっと!』
「誤解されてしまったようだね」
『す、すみません』
「構わないよ」
『怪我とかは?』
「大丈夫だよ」
『良かった...』
「それより、退いてくれないかな?」
『す、すみません!』
何が起こったか戸惑い動けなくなっていて、ずっと俺のことを覆い被さっていた
「まぁ、主が俺との関係を誤解されたままで良いなら話は別だがね」
『なっ!』
「くすっ。冗談だよ。立てるかな?」
『うん』
事故とはいえ、さすがの俺も動揺したな
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月14日 2時