第43話 ページ44
この状況をなんとかしないと、今は保ててるが体調に関わってくると霊力どころの問題じゃないことは分かっている
でも...
「口付けをすることを躊躇っているは、俺が相手だから嫌ということかな？」
『そうじゃないけど...』
「なら、君の為にも早く済ませた方いい」
『そんなこと自分のことだから分かってる！』
「....」
『ご、ごめんなさい』
「いや、俺の方こそ君の気持ちを聞かずに話を進めてしまっていたね」
『...相手が長義だから嫌とかじゃないの。ただ...』
「ただ？」
『霊力を移す為とはいえ、口付けをするのって勇気がいるというか...』
「勇気ね...」
『それに変に意識してしまわないかなって...』
「....」
『べ、別にやましい気持ちがあるわけじゃないけど...』
「俺は意識してくれても構わない」
『え？』
「寧ろ、好都合だ」
『長義？』
「君はいつまで経っても振り向かないからね」
『えっと...』
「何でもない。こっちの話だ」
『...長義は嫌じゃない？』
「あぁ」
『...じゃあ、お願いします』
「わかった」
長義の顔が近付いてくる
いつもなら顔が良いとか思ってられるけど
今はそれどころではない
目を瞑った瞬間、長義の唇が私の唇へと重なった
霊力を移す為だからか少しキスが長い
『んんっ...んぅ...』
「んっ、はぁ...」
『はぁ...はぁ...』
「...すまない。1回で済ませようと思ったから長くなってしまった」
『だ、大丈夫』
「これで霊力は移せたはずだ。スグに体も安定するだろう」
『あ、ありがとう』
やっぱり長義の顔を直視出来ない
恥ずかしすぎる
さっきだって、キスが長かったから空気を吸おうとして変な声出ちゃったし...
「主？」
『み、見ないで！今、顔が赤いから...』
「クスッ。そう言われると見たくなるものだよ」
『うぅ...』
「それにしても、こんな形で口付けをすることになるとは思わなかったな」
チラリと長義を見ると目が合ってしまい目を逸らした
『やっぱり、今は長義の顔見れない』
「俺は君の顔が見たいんだけどね」
今、顔を会わせたら思い出して頭から離れなくなる
「さて、用は済ませたわけだ。部屋に戻るよ」
『う、うん』
「霊力を移したとはいえ、本調子ではない。ゆっくり休むんだよ」
『う、うん』
異常事態の対応で長義は顔色1つ変えなかったな
任務のうちの1つってことか...
さすがだな...
「はぁ...よく理性が保てたものだ」
続く (更新停止中)
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2022年3月14日 2時
