第37話 ページ38
遊んでいたみんなも集まり、バーベキューが始まった
「良い匂い」
「美味しそうです」
「肉もたくさんあるばい！」
「頑張って節約したもんね」
『たくさん食べてね』
この日の為に、みんなで節約した結果こうして贅沢出来ている
今回は長谷部は大目に見てくれたけど
これをきっかけにお金の使い方を見直さなきゃな...
「主、主の分のお肉を取ってきました」
『自分で取りに行くから大丈夫なのに...』
「いえ。こうでもしないと、主は遠慮なさりますから」
『食べるのも良いけど、みんなが喜んでる顔を見るのも好きだから』
「主らしいですね」
『そうかな？』
「もうすぐこっちのお肉が焼けるよ」
『おもてなしも良いけど、燭台切もちゃんと食べてね』
「ありがとう。後で食べるよ」
『そう言ってると、無くなっちゃうでしょ。ほら、口開けて』
「えっ！？」
『手が塞がってるから食べさせてあげる』
やや強引ではあるけど、こうでもしないと食べないだろう
「じゃ、じゃあ、いただきます」
「おっ、あーんってやつか」
『美味しい？』
「うん。ありがとう」
「みっちゃん、顔が赤いぜ」
「定ちゃん...もう、カッコつかないな」
『たまには良いじゃない。私は色んな顔が見れるほうが嬉しいよ？』
「主には敵わないな」
こういう姿って、職務をしてたら普段見れないし良いな
もう少し、みんなとの時間作ろうかな
「おーい！海の家で花火買ってきたぜ」
「花火か。風流を感じるね」
「夏といえば花火だろ？」
「色んな種類の花火があるね」
「楽しみです」
「主さんも一緒にどうですか？」
『私は片付けを手伝うから先にやってて。後で行くから』
「はーい！」
「やっぱり最初は打ち上げ花火かな？」
「えー。最後のシメに置いといたほうが良いんじゃない？」
「主、いいのかい？片付けて手伝ってくれるのは助かるけど...」
『うん。早く終わらせたら、みんなで遊べるでしょ？』
「そうだね」
片付けを済ませてみんなの所へ向かうと、山姥切が声をかけてきた
「これ、あんたの分だ」
『え？』
「線香花火、好きだろ」
『わざわざ取っておいてくれたの？』
「あんたのことだ。俺達に遠慮するだろ」
『そんなことないよ？』
「兄弟は主さんと花火がしたいだけですよ」
「...っ！」
「じゃあ、僕は兼さんの所に行くね」
「お、おい！」
『せっかくだから一緒にやろうか』
「...あぁ」
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2022年3月14日 2時
