第36話 ページ37
着替えて戻ってくると、良い匂いがしてきた
よ
「主、おかえり」
『バーベキューの準備?』
「うん。そろそろ、みんなお腹が空く頃かと思ってね」
『遊ばなくていいの?』
「僕はこうして、もてなしている方が向いてるかな」
「僕はもともと、厨当番だったからね」
『そっか』
「他のみんなは海の幸をとりに行ってくれてるんだ。せっかく来たんだ。新鮮なものを食べたいからね」
『じゃあ、私も手伝うよ。ちょうど手もあいてるし』
「ありがとう。じゃあ、野菜を切ってくれるかな?」
『わかった!』
普段は料理しないけど、こういうのもいいな
「ただいまー!」
「主!何故、主が料理を!?」
『手があいてたから手伝おうと思ってね』
「おかえり。良い食材はとれた?」
「あぁ」
「美味そうな貝とかとれたぜ!」
『大量だね』
「主、俺が代わります。主は休んでて下さい」
『大丈夫だよ。こうして、みんなと一緒に居るほうが楽しいし』
「ですが!」
『私が居たら足手まとい?』
「いえ。そんなことは!」
「たまには良いんじゃないかな?こうして主と料理するのも」
「楽しくなりそうだな!」
「でも、新鮮だね。主がこうして料理をしているのは」
『みんなと一緒だから楽しいし、花嫁修行にもなるよ』
「花嫁修行!?」
「長谷部くん。落ち着いて」
「まぁ、いずれは来る時がくるだろうが、貴殿にはまだ早いのではないかな」
『そうかな?私もいい年齢だし話は来てるよ』
「そんな話、主、俺は聞いてないです!」
『うん。山姥切しか知らないと思う』
「あいつ、何故言わない...」
こう騒ぎになるから、山姥切は誰にも言わなかったんだな...
「山姥切は何と言って居るんだ?」
『山姥切が"あんたには俺達が居る。それで良いだろ"って...』
「なるほど。彼が言いそうなことだ」
『まぁ、私も乗り気ではないから行かないだけだけどね』
「どんな相手か見極める必要がある。その時は俺が!」
『わかったわかった。ちゃんと次から言うよ』
花嫁修行なんて変に口に出すんじゃなかった...
「主が結婚など、あり得ない」
「長谷部くん。まだ先の話だよ」
「山姥切と話をせねばならん!」
「こうなるから彼は黙っていたようだね」
「そうだね」
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月14日 2時