第19話 ページ20
夕飯を終え、私達は帰る支度をしていた
「忘れ物はない?」
『うん。大丈夫』
「荷物持つよ」
『あ、ありがとう』
「長義は紳士な男だよね」
「これぐらい当然さ」
「でも、紳士な男ほど裏の顔がありそうだよね」
「ご想像にお任せするよ」
お姉ちゃんの対応に長義も疲れてきている
申し訳ないな
「肉じゃが美味かった」
「ふふ。ありがとう」
『国広、たくさんおかわりしてたね』
「遠慮を覚えたらどうかな?」
「つい...」
「Aも作れるから今度頼んでみたらどう?」
「あぁ。誉を貰った時にでも頼むとしよう」
勝手に決めてるけど
誉じゃなくても作ってあげるのに...
「山姥切くん。Aのことよろしくね」
「あぁ。もちろんだ」
「....」
『それじゃ、また』
「現世に来たら、また顔出しなさい」
『わかった』
「元気でね」
『お母さんも』
私達は別れを告げ、本丸へ戻った
『二人とも今日はありがとう』
「全く。嘘とはいえ偽物くんと兄弟の設定されるだなんてね」
『ごめん。咄嗟に浮かんだのがソレで...』
「はぁ...」
『本当に助かったよ。二人とも、ゆっくり休んでね』
「あぁ。主も」
「おやすみ」
『おやすみ』
大変だったけど
久しぶりに帰った我が家は、暖かったな...
「おかえり。遅かったじゃん」
「あぁ。主の家に行っていた」
「大変な目にあったよ」
「やっぱり...」
「だが、主の喜ぶ顔が見れたからな。それでいい」
「でも、主の家ということは...また彼氏役してたんだ」
「あぁ」
「いくら嘘であっても、彼氏役にふさわしかったのは俺だと思うがね」
「彼氏役、やりたかったのか?」
「結構だ。だが、本当の彼氏なら話は変わってくるかな」
「....」
「まぁまぁ。今日は疲れただろうし、早く休んだらどうだい?」
「あぁ。そうさせて貰うよ」
「最近、別の意味で仲が悪くなってない?」
「確かに」
「本丸に何も影響が起こらないといいがね」
「あとは、主がどうするかだね」
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年3月14日 2時