第17話 ページ18
さっさと帰るつもりだったのに断われなかった
山姥切は分からないが、長義は恐らく早く帰りたいだろう
兄弟なんていう設定を作られた上に、演じなければならない
でも、私も精一杯だ
山姥切との話と聞かれても恋人ではない
根掘り葉掘りされるのは分かっている
前回の時もそうだったから...
「それで、この茶番はいつまで続けるつもりかな？」
『ごめん。とりあえず、帰るまでは付き合ってほしい』
「はぁ...分かった。本丸に帰ったら俺にも付き合って貰うよ」
『何でも付き合うよ』
「何でも、ね」
「....」
「演じるからには、しっかりと頼むよ。偽物くん」
「分かっている」
夕飯の時間になり、私達がリビングに行くと
お姉ちゃんが私の顔を見ながらニヤニヤとしていた
『な、何？』
「国広とのこと、何を聞こうかな〜って考えていたの」
『はぁ...私達、食べたらスグに帰るから』
「えー。残念」
長居してしまうと大変なことになりそうだ
「お待たせ。今日の夕飯は肉じゃがよ」
『わぁ！お母さんの肉じゃが久しぶりだな〜』
「以前にも一度食べたが母さんの肉じゃがは絶品だからな」
「大袈裟よ。おかわり、いっぱいあるからね」
「ありがとうございます」
やっぱり、おふくろの味っていうのは良いよな〜
なんて、浮かれている時間はあっという間だった
「ねぇ。結局さ、A達は今はどこまで進んでいるの？」
『ゴホッゴホッ！い、いきなり何よ』
「動揺して怪しいな〜」
「....」
「で、どうなの？」
『どうって聞かれても...』
「ほら。キスとか、それ以上のこととかさ〜」
『ま、まだ...』
「付き合って2年でしょ？何してるのよ」
『忙しくて時間作れないの！』
「ふーん...じゃあ、前に家に泊まって行った時、布団がなくて一緒に寝たじゃない。あれからも一緒に寝てるの？」
『そ、そんなわけないでしょ！』
「え〜！なんでよ。恋人なんだから良いじゃない。それともアレ？国広が理性抑えれないとか？」
「いや。Aの寝相が酷くて無理だ」
確かに寝相は酷いけど、それを理由にして納得するかな？
「あ〜。そういえば昔から酷いね」
「あぁ。毎度、布団を取られては風邪をひくからな」
『そ、そこまで酷い？』
「あぁ」
『即答だね』
「相変わらず、国広は面白いね」
お姉ちゃんは恋ばなが好きで楽しそうだけど、私と山姥切は対応で精一杯
早くこの時間が終わってほしい
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2022年3月14日 2時
