第12話 ページ13
国広side
最近、主と本歌の仲が良いようだ
何があったか知らないが、主が楽しそうで何よりだと思う反面
俺はモヤモヤとしていた
二人のやりとりは俺から見ている限り
主は本歌がからかっていると言っているが
本歌は主を気に入っている
好意に等しいものだと思う
俺と同じように...
「本歌」
「偽物くんか。なにかな？」
「主と仲が戻ったようだな」
「あぁ」
「....」
「はぁ。俺に何か言いたいんじゃないのかな？」
「...主を困らせるのはやめろ」
「困らせる？」
「この間から気になっていたが...」
「さすがの偽物くんも気付いていたか」
「主の顔を見れば分かる」
「へぇ。それは"俺の方が主のことを知っている"とでも言いたいのかな？」
「別にそういうわけでは...」
「はぁ...本当に偽物くんは自分に自信がなさすぎる。少なくとも俺より長く一緒に居るんだ。それぐらい言えないのかな？」
「....」
「俺は遠慮するつもりはない。この理由、お前ならもう気付いているだろ？」
「あぁ」
宣戦布告か...
今までの俺なら、こんな勝負受け入れない
だが、主は渡したくない。誰にも...
「おぉ。山姥切ではないか。長義と話していたのか？」
「あぁ。少しな」
「主も皆に好かれて困ったものだな」
「聞いていたのか」
「はっはっは」
「はぁ...」
「主にも困ったものだな」
「全くだ」
「だが、そんな主が好きなのだろう？」
「...あぁ」
「山姥切は主とどうなりたい？」
「どう...か。考えてみたことなかったな」
「そうか」
「だが、俺は主の傍に居たい。それだけは変わらない」
「うむ。その言葉、忘れるでないぞ」
三日月と関わるとペースが崩れる
だが、大切なことは分かった
『山姥切ー！』
「主か。どうした？」
『審神者の集い、明日だった！』
「なっ...」
『来週だと思ってたのに！』
「はぁ...早く明日の準備するぞ」
全く
これだと、放っておけるはずがないか...
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2022年3月14日 2時
