写しと本歌に愛されて心臓が持ちません！ (ページ2)

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第1話ページ2

私の本丸は賑やかだ
みんな、和気あいあいで出陣以外の時間は楽しそうに過ごしている

だが、一部はそういかなかった

聚楽第での作戦において、この本丸の実力が高く評価された結果配属された山姥切長義

この本丸に来て、数日が経った

彼は政府の刀だった為、事務作業が得意で私のことを時々
手伝ってくれているのだが...

「主、少しいいかな？この書類なんだが...どうして偽物くんが主の部屋に居るのかな？」

「それは近侍だからだ」

「主は任務中だ」

「今、休憩に入ったところだ。邪魔はしていない」

そう

この二振り、相性が悪いのだ

長義の写しと本歌
立場的に複雑な関係ではあるが困ったものだ

長義は山姥切国広を"山姥切"と呼ぶことを嫌がるので
私は"国広"と呼ぶことにしたのだが

二人きりの時は今まで通り呼んでいる

『任務には支障ないし、もうすぐ終わるから大丈夫だよ。それより書類の件だよね。見せて？』

「あぁ...」

『なるほど...この書類は私の方でやっておくよ』

「じゃあ、よろしく頼むよ」

「主。茶が入ったぞ」

『ありがとう。国広』

「今日はあんたが好きな、たいやきだ」

『わぁ！美味しそう！』

「あんことカスタード、どっちにする」

『うーん...悩むな～』

「なら、半分にするか」

『そうだね』

「....」

『長義も一緒に＿＿』

「俺は遠慮しておくよ。書類の整理がまだあるからね」

『そっか』

「邪魔をしたね」

気まずい関係が続くのは本丸の雰囲気にも良くない
なんとかしたいんだけどな...

「はぁ...偽物くんの何が良いのか、さっぱり分からない」

「どうしたの？長義」

「明らかに不機嫌な顔してるね」

「加州に歌仙か...」

「また、山姥切のこと？」

「俺こそが長義打った本歌だ。偽物くんを"山姥切"と呼ばないで貰いたいね」

「そうは言われても難しいね」

「主と偽物くんの関係は一体なんだ。距離感が近い。恋仲か？」

「恋仲ではないけど...主にとっては特別な存在だからかな」

「初期刀だからか...」

「いや、彼は初期刀じゃないよ」

「だが、政府の書類には偽物くんの名前が書かれていた」

「山姥切は二振り目なんだ」