とある本丸の審神者に恋したのは同じ刀剣男士でした (ページ22)

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第169話ページ22

目が覚めたら外は眩しいぐらいに明るかった
久しぶりにぐっすり眠れた気がする
それは、きっと宗近さんが傍に居てくれたからだろう

『宗近さん』

[よく眠れたようだな]

『はい。おかげさまで』

時計を見ると昼過ぎになっていた

『えっ！？私、そんなに寝てたんですか？』

[あぁ]

『すみません。ずっと付き合ってくれてたんですね』

[なに、気にすることはない]

『宗近さんの方が寝不足になったんじゃ...』

[ん？久しぶりにそなたの愛らしい寝顔が見れた。俺は癒されたぞ]

『あ、愛らしいって、そんなこと...』

全く...
宗近さんはいつも通りだな

[恋仲であれば触れることが許されるのだがな。難しいものだ]

『え？』

[俺の言葉に顔を赤くしているそなたを見ると愛おしくなる]

『...っ』

そうだよね
いくら私が今、三日月さんのことを好きでも
宗近さんの私への気持ちは変わっていない

もしかしたら、1番苦しいのって私じゃないかもしれない

[さて、お腹空いたのではないか？燭台切がおにぎりを持って来てくれている。一緒に食べよう]

宗近さんは優しすぎる
私の前ではいつも笑ってくれている

でも...

『宗近さん』

[どうした？]

『私、もう大丈夫ですから。だから...』

[俺のことを気にかけてくれるか。そなたは優しいな]

『優しくなんかないです！』

[....]

『すみません。私、宗近さんの気持ちを考えずに傍に居てもらって...』

[謝ることない]

『でも！』

[Aよ。俺は恋仲でなくなった今、そなたの傍に居れる時は近侍の時ぐらいだ。ならば、俺にとっては好都合だ]

『え？』

[俺はAの傍に居たい。それは、恋仲でなくてもだ]

『宗近さん...』

[だから、謝ることはない]

『宗近さんは、どうしてこんな私をずっと好きで居てくれるんですか？』

[何故だろうな。偽りのないそなたを知れば知るほど、愛おしくなる]

『確かに宗近さんには色んな姿を見られてる気がします』

[良いではないか]

『でも、これ以上は宗近さんに悪いから...』

[ならば、誰を頼る？]

『自分でなんとかします』

[Aよ。俺はそなたが俺にだけ弱味を見せてくれることが嬉しいのだ]

『え？』

[その弱味はあやつに見せることはない。ならば、俺だけが知っている素顔だ。あやつが知らないそなたの顔を知っていると俺は嬉しくなる。意地悪やもしれんがな]

『宗近さん...』

[だから、俺に委ねてくれ]

『...宗近さんが望むなら』

[意地悪なじじいになったものだな。はっはっは]