とある本丸の新人審神者は記憶が曖昧なようで (ページ10)

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第58話ページ10

当日がやってきた

いつもと違う少しお高い着物に化粧
落ち着かないな...

『そろそろ行かなきゃ。夜には帰って来るから』

「お土産よろしくね」

『分かってるよ』

「くれぐれも男にはお気をつけて下さい」

『もう、長谷部ったらそればかりだね』

「仕方ないんじゃない？Aって無防備だし」

「三日月、頼んだぞ」

[うむ]

そんなに気にすることなんだ...

『じゃあ、行ってきます』

現世に着くと懐かしい光景

現世に来るのは1年ぶりか...

[ここが現世か]

『そうですよ』

[人が多いな]

『今日は休日ですからね』

[見慣れない建物が建っているな]

見慣れない場所に興味津々な三日月さん
案内してあげたいけど、今は会場に行かないと

[おっ。何やら良い匂いがするな]

マイペースだな...

『三日月さん、帰りに寄りましょう？』

[あぁ。そうであったな]

『はい。手を出して下さい』

[手？]

『現世ではぐれたら大変ですから』

[世話をかけるな]

手を繋いで会場を歩き出すものの
三日月さんの外見だ
すれ違う人は三日月さんに目が行く

さすが天下五剣

そんな釣り合わない私が隣に居ていいのだろうか

[今日のAはいつもと雰囲気が違うな]

『へ、変ですか？』

[いや、綺麗だ]

『へっ！？』

[先程からすれ違う男はそなたを見ている]

『気のせいですよ』

[俺には分かる。今日のAは、いつもよりも魅力的だ]

『そ、そんなことは...』

[出来ることなら会場へ行かず2人で居たいものだ]

『み、三日月さんだって女性が見てますよ』

[俺にはそなたが居る。他の者には興味がない]

『...っ！』

[どうした？顔が赤いぞ？]

『は、早く行きますよ！』

[はっはっは。あい、わかった]

三日月さんと居ると落ち着かない！

[Aよ、会場はこっちだぞ]

『うぅ...』

[はっはっは。楽しいな]

人の気も知らないで！