とある本丸の新人審神者は記憶が曖昧なようで (ページ33)

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第80話ページ33

みんなの顔が見れて一安心した
やっぱり此処は落ち着くな

ぐぅ～

「ん？何の音？」

『わ、私のお腹の音...』

「もう...帰ってきて早々、お腹空いたの？」

『いや、みんなの顔が見れて安心したというか、気が緩んだというか...』

「はぁ...」

『そ、それにお昼の時間だから！』

「そんなこともあろうかと、ちゃんと用意してあるよ！」

「さすが、みっちゃん！」

「そうだ。せっかくだし、三日月さんも一緒にどうかな？」

「そうだな。俺も腹が空いてきたところだ」

「みっちゃんの料理は格別だぜ！」

「それは楽しみだな」

「何処の本丸の三日月もマイペースなんだな」

「はっはっは」

三日月さん、凄いな
あっという間に仲良くなってるな...

『とりあえず、お昼を食べる前に部屋に荷物置いてくるね』

「わかった」

[A]

『あっ、三日月さん』

[荷物を持とう]

『ありがとうございます』

[久しいな]

『電話以来ですね』

[あの三日月宗近との暮らしは楽しかったか？]

『えっ...』

[なに、深い意味はない。同じ刀剣男士として気になっただけだ]

ビックリした
まさか見破られてるのかと...

[して、どうなのだ？]

『た、楽しかったですよ？』

[そうか...]

『三日月さん？』

[俺も負けてられんな]

『どういう意味ですか？』

[俺もそなたを楽しませたいということだ]

『三日月さんと居て楽しいですよ？』

[まことか？]

『はい』

[そなたは優しい。いつも俺の欲しい言葉をくれる]

『そんなこと...』

[そなたの帰りを待っていた...]

『ちょ、ちょっと！』

急に三日月が私を抱き締めた

[はっはっは。落ち着くな]

みんなに見つからないようになのか、曲がり角を使うがいつ誰が通りかかるか分からないから、ひやひやする

『こ、こんなところでダメです。誰かに見られたら＿＿』

[俺は構わんぞ？]

『私が良くないんです！』

[はっはっは。恥ずかしがるそなたも愛らしいな]

『もう...三日月さん！』

[すまない。そなたを感じたくてな]

『え？』

[じじいは寂しかったぞ...]

『三日月さん』

[やっと会えた。このまま離したくないところだが...]

『みんなが待ってますしから...』

[うむ。そうだな]

よほど寂しい思いをしていたのだろうか
名残惜しそうに私の顔を見つめている

『あ、後で時間作りますから』

[良いのか？]

『荷物持ちのお礼です』

[はっはっは。それは嬉しいな]

『ふふ...』

私達は誰に見られてるかも知らず笑っていた