第79話 ページ32
三日月さん達との別れの日がやってきた
『みなさん、お世話になりました』
「寂しくなるね」
「また、いつでも来なよ」
『ありがとう』
「三日月は一緒に行くのか?」
「あぁ。主から共に来るようにと言われていてな」
「そうか」
「いいな〜。Aさんの本丸見てみたかったな〜」
『ふふ。ここと一緒で賑やかだよ』
「では、そろそろ行くか」
『はい』
「元気でね」
『ありがとう』
みんなからの温かい言葉は嬉しかった
だけど今は審神者様に会う恐怖の方が強かった
私に取り戻してほしかった記憶がこのことならば
何故、本丸へ行かせたのか真相が分かる
だけど、世の中には知らなくて良いこともある
優柔不断だな...
「そのような顔をしていては本丸の皆が心配するぞ」
『あっ、はい!いつも通りいつも通り!』
「...名残惜しいな」
『え?』
「もうすぐ着くぞ」
みんなが待つ本丸が見えてきた
「あっ!Aさーん!」
1番最初に気付いた今剣が走ってきた
「おかえりなさい!」
『ただいま。出迎えてくれたの?』
「はい!はやくあいたくて、まってました!」
素直で可愛いな...
「あれ?三日月さん?」
『審神者様の命で一緒に来たの』
「そうなんですね!さぁ!みなさん、まっていますよ!はやくいきましょう!」
『うん』
今剣が嬉しそうに私の手を引いて広間へ向かいだした
広間に行くと刀剣男士、全員が揃って待っていた
私が"ただいま"と言うと、みんなも笑って"おかえり"と言ってくれた
当たり前のようなことだけど嬉しいな
そして、この本丸が大好きだということを離れて改めて認識した
此処が私の居場所なんだ
『ふふ。みんなに会うのなんだか久しぶりな気がする』
「たった3日間でしょ」
「そんなこと言って、清光、寂しそうにしてたじゃん」
「ちょっと!安定!それなら山姥切だって」
「なっ!俺は別に寂しくなんか__!」
『私は山姥切に会えなくて寂しかったのにな...』
「あんたが帰ってくる場所は此処だ。俺は帰りを待つだけだ」
「山姥切はクールだね」
「カッカッカ!これでも兄弟はAに会えて嬉しそうにしているぞ!」
「心配もしていましたよ!」
『そうなの?』
「俺はこの本丸の初期刀だ!当然だ」
『うん。初期刀として信頼しているよ』
「...っ!う、写しに期待するな」
『ふふ...』
まんとで顔を隠しているが、赤くなっているのが隙間から見えていること気付いてないんだろうな...
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年9月22日 20時